日本高野連が9月6日に、プロ志望届提出者の一覧掲載をホームページ上でスタートさせた。9月13日現在では96名が掲載されており、広島県高校では現時点で広島新庄・花田侑樹のみがプロ志望届を提出している。

2021年春、夏と甲子園に出場した広島新庄のエース・花田侑樹。

◆エースで4番。広島新庄の大黒柱として春夏連続甲子園出場に貢献

 2021年夏の広島大会、安定した戦いぶりを見せ、新チーム結成後は広島県内無敗で3度目となる夏の甲子園出場を決めた広島新庄。そんなチームを牽引してきたのが背番号1を背負い、打っては4番と投打の大黒柱である花田侑樹だった。彼は投手への強い気持ちを持っている。

「背番号1を背負って甲子園で投げるのがずっと目標でした」。2年時の夏季広島大会、投手は同学年の左腕・秋山恭平が中心だった。「自分は投げられずベンチで悔しい思いだった」。高い打撃センスを持つ花田はそれまで野手を中心にプレーしていたが、宇多村聡監督へ気持ちをぶつけた。

「投手に専念したいと言ってきたので、彼の強い覚悟や思いを感じました。ですが4番でもあるので、そちらも疎かにするなと。人と同じことをやってたらダメだと。そう伝えました」(宇多村監督)

 新チームとなり花田は背番号1を背負った。2年秋の秋季大会で花田は9試合に先発登板。「投げていくうちに成長していると自分でも感じていました」。見事に優勝を果たして自信を深め、3年春には初の甲子園のマウンドでも好投した。「春の甲子園よりも球速を上げること、打者としてチャンスでしっかり打てるようにやってきました」。投手、4番として鍛錬を積みながら最後の夏を迎えた。

 広島大会では初戦の舟入戦、準決勝の西条農業戦、決勝の祇園北戦と3度先発マウンドに上がり、投手として16回を投げ7失点。「ピッチングではあまり調子が良くなかった」と振り返るように、広島大会では投手として思うような結果を残せなかった。

 しかし花田は4番として打撃で抜群の存在感を見せた。4回戦の安芸南戦、準々決勝の瀬戸内戦で2試合連続本塁打を放つなど、勝負強く、レベルの高い打撃を見せつけた。「バッティングはチャンスで回ってくることが多いので、そこでなんとか1本打ちたいという気持ちでした」と語るように、4番として結果を残し、打者としての存在感を見せつけ、広島大会優勝に大きく貢献した。

「夏は勝つことが大事なので、そこをしっかり勝ち切って、甲子園まで行けて良かったです」。自身2度目となる甲子園への切符をチームの主力としてつかみとり、この1年で投打共に選手として大きくレベルアップを遂げた。

 春のセンバツに続き、自身2度目となった2021年夏の甲子園。初戦は強豪・横浜と対戦となった。先発マウンドに立った花田は、横浜打線を相手に140キロを超えるストレートを軸に強気の投球を展開。7回途中まで100球を投じ、被安打5、無失点と広島大会で味わった投手としての悔しさを晴らす好投を見せた。

 チームは9回、勝利目前で逆転サヨナラ負けと悔しい負けとなったが、広島新庄のエースして素晴らしい戦いを演じた花田。春夏連続で甲子園で投じたストレートは注目を浴びた。ドラフト会議は10月11日。花田はどのような進路となるのか、今後も彼の姿から目が離せない。