9月12日(日)、日本初の女子プロサッカーリーグ『Yogibo WEリーグ』が開幕の時を迎える。WEリーグ元年を戦うのは全11チーム。サンフレッチェ広島レジーナは『共感』というチームスローガンを掲げ、初のシーズンを戦っていく。

 開幕戦の相手は、ちふれASエルフェン埼玉(17時キックオフ・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)。ホームアンドアウェー方式による総当たりのリーグ戦を戦い、初年度の優勝を目指す。

 ここでは、WEリーグ開幕を記念して、サンフレッチェ広島レジーナの初代主将に就任した近賀ゆかりの独占インタビューを再編集してお届けする。今回はレジーナに加入するまで、海外を含め7つのクラブでプレーした、女子サッカー界を牽引するレジェンドの『決断力』に迫った。

2004年から2016年、女子日本代表「なでしこジャパン」でプレーし100試合に出場した近賀ゆかり選手(サンフレッチェ広島レジーナ)

◆決断したことは楽しむと決めている

─これまで海外を含め、7つのクラブでプレーされ、レジーナは8チーム目。新天地を選ぶたびに、いろいろな決断があったと思いますが、決断する時に大切にされていることはどんなことでしょうか?

「どんなことであれ、自分で決めたことは〝楽しもう”と心がけています。例えば、海外のチームと契約した際、最初に聞いていた話と違うことがありました。再度交渉をしないといけなくなったのですが、起きてしまったことは変わらないので、その状況を良くするためには楽しんでやるしかないなと。人と関わる以上、思い通りにいかないことは数多くあります。決断後に予期しないことが起きても、それも含めて楽しもうという気持ちで臨むようにしています」

─海外のリーグでのプレー経験は、今の近賀選手にどんな影響を与えていますか?

「一番はサッカー選手としての視野が広がりました。海外を経験するまでは知らず知らずのうちに『いいサッカー』の固定概念ができていました。ただ、海外に行くと、いろんなサッカーがあって、いろんな選手がいます。サッカーに対する考え方も違います。海外でのプレーを通して、フィジカルや技術を高めるのも大切ですが、例え技術で劣っていても気持ちで負けることなく試合で戦える、本番で力を出せる、そういう要素も大事だと改めて気付かされました」

─数々のクラブを渡り歩いた近賀選手から見てレジーナはどんなチームですか?

「プレシーズンマッチ(5月〜6月に4試合開催)を戦った相手チームには、手強いイメージを植え付けることができたのではないかと思います。リーグに加盟しただけのチームでは意味がないと思いますし、サンフレッチェという看板を背負う以上戦える集団でなければなりません。プレシーズンマッチを通して、そのスタートラインには立てたかなと思うので、開幕に向けて、チームの力を高めていきたいと思います」