◆1年目は心技体、その3つの全てで成長できた

─9月20日には1年目ながら一軍に昇格を果たしましたが、当時の心境はいかがでしたか?

「本当にうれしかったです。初打席はものすごい緊張していました。ネクストバッターズサークルまでは、良い緊張感を保っていましたが名前がコールされて、スタンドが湧いた時にビビってしまい、一気に緊張しました(苦笑)。『これやばいな』って(笑)。とにかくバット振れば良いと思っていました」

─今季はプロ一軍でプロ初安打も記録されましたし、二軍でも3割近い打率をマークするなど、打撃で結果を残されましたが、コーチからはどのような指導を受けていたのでしょうか?

「『若いカウントで強く振れ』というのはずっと言われてきました。シーズン通してその点ははっきりと意識してやってきて、シーズン終盤でようやくでき始めたのかなと思っています。また調子が悪いと消極的になりがちですが、調子が悪くても積極性は忘れないようにしていきました」

─シーズン終了後は具体的にどのようなことを意識しながら練習に取り組んでいましたか?

「フェニックス・リーグは結果があまり求められない試合だと思っていたので、打撃では少しずつ構えを変えたり、打席内での設定の仕方を変えたりいろいろなことに挑戦しました。リードの面でも投手とコミュニケーションを取りながらいろいろなことを試しました。誤解されるかもしれない言い方ですが、少し気持ちに余裕を持って〝遊び感覚〟で練習に臨んでいます。そうすることで、シーズン中には思いつかなかったような発想が出てくればいいなと思っています」

─改めてこの1年間は、坂倉選手にとってどんな1年間でしたか?

「心技体、その3つの全てで成長できたと思います。ドラフト、入団会見、キャンプというテレビの中の世界だったことを自分が味わい、気持ち的にはとても大変でした。しかし、いろいろなことを経験することで野球というスポーツについて高校で分からなかったことも、少しずつ分かるようになってきた気がします」

─来季以降、こんな選手になりたいというイメージはありますか?

「すぐには無理かもしれませんが、3割近く打てて、ホームランもある程度打てるようになりたいです。常々思っているのは試合に勝てなければとにかく意味がないので、勝てる選手になっていきたいと思います。まだ自分はそのレベルまでいっていないので大きな声では言いづらいですけどね。とにかくまずは一軍で1試合でも多くの試合に携われる選手になりたいと思います」