9月15日の中日戦、今季2度目となる3番・スタメンとなった正隨優弥が、チームの連敗ストップに大きく貢献する逆転3ランを放った。プロ3年目となる今季は、開幕二軍となったものの、3・4月度のファーム月間MVPにも輝くなど、幸先の良いスタートを切った。5月に新型コロナウイルス陽性判定のアクシデント後に調子を落としたものの、ここにきて猛アピールを続けている。

 大阪桐蔭-亜細亜大とアマ球界の強豪でプレーしてきた正隨は、2018年ドラフト6位入団。同期の高卒組である小園海斗、林晃汰は今季一軍で結果を残しているだけに、さらなるアピールが期待される。

 ここでは正隨と同じく“ドラフト6位”入団から印象的な活躍を見せたカープ選手を改めて振り返っていく。

プロ3年目を迎える正隨優弥。15日の中日戦で今季1号となる逆転3ランを放った。

■「空に向かって打つ!」1998年ドラフト6位 新井貴浩(駒澤大出身)
<通算成績>
2383試合 2203安打 310本塁打 1303打点 

 記憶に残る活躍、実績のインパクトがあるドラ6カープ戦士と言えば、新井貴浩だろう。松坂大輔(西武)、上原浩治(巨人など)などの指名に沸いた1998年のドラフトでカープから6位指名を受けて入団。同期の1位指名は東出輝裕(現カープ二軍コーチ)だった。

 大学時代に目立つような実績がなかった新井だが、ルーキーイヤーから一軍での出場機会をつかみ、7本塁打を記録。翌年以降も一軍出場機会を年々増やし、2005年には43本塁打で本塁打王に。その後は球界を代表する打者へと成長し、阪神移籍後に打点王(2011年)も獲得。カープ復帰後の2016年には2000安打を達成し、MVPにも輝いた。

 広島出身の大卒長距離砲という面は正隨も同じ。新井のような“ドラ6からの這い上がり”を期待したい。

■「3年連続胴上げ投手」2010年ドラフト6位 中崎翔太(日南学園出身)
<通算成績(昨季終了時点)>
360試合 19勝27敗 115S 66ホールド 防御率3.02

 斎藤佑樹(日本ハム)、大石達也(元西武)に人気が集中した2010年ドラフト。カープは大石の抽選を外すと、同じ早稲田大の福井優也(現楽天)を指名し、中崎はドラフト6位で指名された。

 6位指名ながらも、中崎はプロ2年目の2012年に一軍初登板を果たすなど12試合に登板。翌年からも徐々に登板数を増やすと、2015年にはシーズン途中にストッパーに抜擢され29セーブを記録。2016〜2018年には3年連続胴上げ投手となるなど、カープ3連覇のストッパーとして大きく貢献した。2019年以降は故障もあり低迷。経験豊富な投手だけに復活が期待される。

■「カープ史上最強の代打職人」1989年ドラフト6位 浅井樹(富山商出身)
<通算成績>
1070試合 523安打 52本塁打 259打点 

 高卒打者で結果を残したのが、左の代打として活躍を見せた浅井樹だ。野茂英雄の1位指名に8球団が集中した1989年のドラフトでカープから6位指名を受けたのが浅井。ちなみに同期には1位佐々岡真司(現カープ一軍監督)、4位前田智徳と、後にカープの主力となる選手がいた。

 一軍初出場はプロ4年目の1993年で、頭角を現したのがプロ6年目の1995年。すでにレギュラーとして活躍していた前田智徳がアキレス腱断裂で戦線離脱となったことがきっかけとなり、一軍に定着。1996年には町田公二郎と左右の代打の切り札として活躍。1996年シーズン通算.339という高打率を残した。

 2006年まで代打を中心に、17年間カープ一筋でプレー。引退後はコーチとしても球団に貢献した。