カープの未来を担う若手選手の2021年の決意をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、広島出身の期待の星・中村奨成。今年5月に行った独占インタビューから、プロでもがき続ける若鯉の未来に向けた意気込みを紹介する。(広島アスリートマガジン2021年6月号で行ったインタビューをもとに編集)

捕手で得た経験を糧に、成長を続けている中村奨成選手。

◆ポジションはどこでもいいカープの中心となる選手に

─一軍には若い選手が増えています。そういったチーム状況から中村奨選手自身が受けている影響はありますか?

「若手にたくさんチャンスがあるので、なんとしてでもそのチャンスを逃したくないですし、自分からしっかりアピールして、チャンスをつかめるようにしたいと思っています」

─同年代の選手がチームに増えていく中で、コミュニケーションの面で意識されていることはありますか?

「二軍から一緒にやっていた選手が多いので、一軍に上がっても同じような感覚でコミュニケーションがとれていると思います。なので、その部分で変えたことはないですね。今まで通りといった感じです」

─広島の街の印象について伺います。中村奨選手は生まれも育ちも広島ですが、カープの選手として4年目のシーズンを迎え、今だからこそ感じる、広島の街の雰囲気だったり、広島の街への思いを教えてください。

「自然豊かな街だと思いますし、食べ物も美味しいし、温かい人も多いです。改めて考えても、広島は暮らすには最適な街だと思いますね。本当に良い街です」

─中村奨選手は今年22歳を迎えます。まだ20代前半ですが、10年後、どんなプロ野球選手になっていたいですか?

「10年後だと、32歳ですね……願望で言うと、日本を代表するプレーヤーになっていたいですし、誰もが認める成績を残して、チームの勝利、そして日本一に貢献できる、カープの中心にいる選手になっていたいと思います」

─入団した当初のインタビューでは捕手一本で活躍したいという意気込みを言葉にされていたのを覚えています。10年後も、捕手で活躍していたいという思いはありますか?

「どうですかね……。現時点での気持ちで答えると、ポジションはどこでもいいかなと思っています。もちろんこれまでは、ずっと捕手として、チームの勝利に貢献したいという気持ちでいましたが、今年、内野や外野で試合に出させてもらい、出場するチャンスが増えたのは、自分の中ではプラスに捉えています。プロ野球選手である以上、試合に出て活躍してこそだと思うので、ポジションにこだわりはありません。それが今の正直な思いです」

─カープに入団して4年が経ちました。入団した頃の自分に、今の自分からメッセージを送るなら、どういった言葉でアドバイスを届けたいですか?

「それはもうたくさんありますね(笑)。1年目からもっと必死に練習しろよとか、体をもっと意識して大きくしろよとか、ケガをしないように体のケアをしっかりしろよとか……言いたいことはたくさんあります(苦笑)」

─地元広島出身で甲子園で活躍してのドラフト1位入団。それだけに、何年経ってもファンの方々の期待は変わらないと思います。最後に読者のみなさん、カープファンのみなさんに今季の意気込みを含め、メッセージをお願いします。

「一軍でヒットを打つまでに4年かかりましたが、こうやって打つことができたのは、入団からここまで、二軍の頃からずっと温かい声援を送っていただいたカープファンのみなさんのおかげだと思っています。これからもっと活躍して、ファンの方々を喜ばせることができるように一生懸命頑張りたいと思いますし、もっともっとチームの勝利に貢献できるような選手になりたいと思っています。とにかく与えられたチャンスを必死につかみとれるように頑張っていきます」

◆プロフィール
中村奨成 22
■なかむら・しょうせい ■1999年6月6日生(22歳)■181cm/81kg   
■右投右打/捕手 ■広島県出身 ■広陵高-広島(2017年ドラフト1位)