9月15日のヤクルト戦で今季初本塁打を放った正隨優弥。5月に新型コロナウイルス陽性判定を受け戦線離脱してから二軍での調整が続いていたが、将来のスラッガー候補がようやく一軍の舞台に戻ってきた。今季の正隨は幸先の良いスタートを切った。3・4月の二軍戦全24試合に出場し、リーグトップの打率.330、29安打を記録。本塁打、打点もリーグ2位の数字を残し、3・4月度のファーム月間MVPにも輝いた。それだけに5月は痛い離脱となった。8月上旬、前半戦の打撃を取り戻すべく、由宇で奮闘を続けていた正隨の声を再収録する。

9月上旬に一軍に昇格した正隨優弥選手。

◆長打力と確実性を備えた打者を目指す

─二軍で課題を持って取り組んでいることを教えてください。

「新型コロナウイルス陽性判定を受け、それ以降、調子を落としてしまったので、今はとにかく良いときの感覚を取り戻すことを念頭に置いて取り組んでいます」

─陽性判定を受け離脱したことで、一番影響の大きかった部分はどういったところですか?

「一番は頭のイメージと体の動きが一致していなかったことです。療養したことで体重が落ちすぐに戻したのですが、実際に動いてみたら『あれ?』と感じる違和感が多くて。体重は戻ったのですが筋量が戻っていなかったので、そこで感覚のズレが生じていました。そのズレで調子を崩し、一度落ちるところまで落ちました。まだ良かった頃の感覚には戻っていないのですが戻りつつはあります」

─復帰以降、打撃成績も落ちています。6月の二軍戦での安打は14安打、本塁打は0本でした。

「結果が出ないことで長打を欲しがり、大振りになってしまうなど悪循環に陥っていました。今季は下半身主導でタイミングを取りスイングすることを心がけており、それにより長打の確率も上がっていたので、早くその感覚を取り戻したいと思っています」

─その中で印象に残っている打席はありますか?

「良い思い出ではないのですが、6月29日の阪神の西(純矢)投手との対戦は印象に残っています。2打席連続三振を喫し、自分自身の不甲斐なさに相当イライラしました。振り返ると、そこからまた調子が悪くなった気がしています。それほど悔しい対戦でした」

─一軍昇格に向けアピールしていきたいことを教えてください。

「やはり長打力を一番求められていると思うので、そこに確実性も備えていきたいです。後半戦、やり返せるように頑張ります」

◆プロフィール
正隨優弥 49
■しょうずい・ゆうや    ■1996年4月2日生(25歳)■180cm/98kg    
■右投右打/外野手 ■広島県出身 ■亜細亜大-広島(2018年ドラフト6位)
地元出身の長打力が魅力のスラッガー。昨季、一軍でプロ初本塁打を放ちその片鱗を見せた。プロ3年目の今季、一軍定着を狙う。