名誉広島顔選手と、期待の『広島顔』選手

『広島顔か否か』が取りざたされるのは、ドラフトの時ばかりではない。カープに来る選手、去る選手も評価の対象になる。たとえば『広島顔』4位の大竹寛(91票)や6位の丸佳浩(48票)は『広島顔』なのに他球団に移籍して大丈夫だろうかと心配され、逆に一岡竜司(10位・31票)や長野久義(11位・25票)は『広島顔』でカープにふさわしい選手であると歓迎される。

こうなってくると、カープに在籍していれば『広島顔』なのではないかと思ってしまうが、カープに在籍したことのない田口麗斗(巨人)が広島顔9位(32票)に食い込んできている。広島出身とはいえ、ここまで健闘している田口を『名誉広島顔』と認定したい。

ところで今季、私が特に期待したい『広島顔』は、3位の髙橋大樹(107票)である。2012年ドラフト1位で入団後、なかなか一軍定着できなかった髙橋大だが、今季は3月1日のオープン戦で2打席連続本塁打を放つなど、開幕一軍を期待されている。『広島顔』の髙橋大が活躍して『広島を代表する顔』になる日を、今から楽しみに待ちたいと思う。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

オギリマサホ
1976年東京都出身。イラストレーターとして雑誌や書籍等の挿絵を手掛けるかたわら、2018年より文春オンライン「文春野球コラム」でカープ担当となり独自の視点のイラストコラムを発表。著書に『斜め下からカープ論』(文春文庫)がある。