秋季広島県高校野球大会の3位決定戦が3日にしまなみ球場で行われ、広陵が工大高に9-2勝利して中国大会への出場を決めた。

9回1失点で完投勝利した広陵・森山陽一朗投手(2年)

 試合は初回、広陵が内海優太(2年)の2点タイムリー、相手のエラーなどでいきなり5点を先制し試合の主導権を握った。2回以降は打線が沈黙したが、終盤8回に松下水音(1年)、大山陽生(2年)のタイムリーなどで4点を追加して工大高を突き放し、9得点を奪った。

 投げては広陵先発の2年生右腕・森山陽一朗が初回から三者連続三振を奪う抜群の立ち上がりを見せると、5回まで工大高打線をわずか1安打に抑え込んだ。7回に2安打と四球で満塁のピンチを招き1点を失ったが、その後は危なげない投球を展開。結果的に9回2失点で完投した。

 一方の工大高は初回に先発の菊地原駿(1年)が5失点も、4回から登板したエースの津川哲郎(2年)が7回まで広陵打線を2安打無失点に抑え込む好投を見せた。しかし8回に4点を失い踏ん張りきれなかった。打線は7回、連続安打と四球などで満塁の好機をつくり1点、9回に内野ゴロの間に1点を奪うに留まった。

 勝利した広陵・中井哲之監督は、完投した先発の森山の投球について「この秋から初めて公式戦で投げる中で、完投してよく頑張ったと思う。今後のことも含めて、完投がどれだけしんどいかが分かったはずです」と今後にさらなる期待を寄せた。また3位で出場権を得た中国大会へ向けては「1回負けてしまったのに、もう1回チャンスをもらえた。なので、どこよりも攻撃的にいけるのではないかと思います」と前を見据えていた。