カープOBの笘篠賢治がカープ野手陣を徹底分析するコラム。今回は、一軍ショートとして成長を続ける小園海斗のプレーを取り上げる。

今季、一軍ショートに定着した小園海斗選手。

◆攻守に躍動を続ける3年目の小園

 カープの野手陣を見渡すと、小園海斗が打撃の調子を取り戻してきたように感じます。これまで、三振を恐れて当てにいくような打撃では、小園の将来を考えると良くないと言ってきましたが、9月中旬以降は力強い打球を飛ばすようになってきました。

 9月28日〜30日の阪神3連戦では2本塁打。9月30日の試合、リリーフ左腕の岩崎優から8回表に放った勝ち越し弾は、特に印象に残っています。本塁打を含めた長打もあるという印象を投手に植え付けることができれば、相手投手からすると怖いものです。

 また、9月30日の試合では、9回裏、先頭で打席に入った梅野隆太郎のセンター前に抜けそうな打球に追いつきアウトにする好プレーを見せてくれました。これは、ものすごいビッグプレーですよ。脚力を生かして、最後は「グラブに入ってくれ」と腕を目一杯伸ばして捕ったような感じでしたが、このプレーに小園の執念を感じましたね。

 この試合は、阪神戦3連勝がかかっていましたし、打線では4番の鈴木誠也が2本塁打を放ち、自らも本塁打。チームとして良い雰囲気だっただけに、絶対に勝たないといけない試合だったと思います。そこであのような素晴らしいプレーを披露してくれれば、首脳陣の評価も高まりますし、今後もチームに欠かせない存在になっていくでしょうね。