カープOBの笘篠賢治がカープ野手陣を徹底分析するコラム。今回は、9月以降、打率・本塁打をはじめ、打撃成績を伸ばしている4番・鈴木誠也を取り上げる。

タイトル獲得の期待がかかる鈴木誠也選手。

◆首位打者・本塁打王が射程圏内に

 10月18日の阪神戦。負けはしましたが、9回表の鈴木誠也の打席は見応えがありました。

 阪神の守護神・スアレスが160km台を連発する中、しっかりとタイミングを合わせ、最後はその速球を引っ張ってサードゴロを放ちました。普通は、あれだけの速い球をこれだけ引っ張れないと思います。しかも、三遊間ではなく、三塁線寄りの打球でしたからね。本当にすごいことですよ。こんな打撃ができる選手は、日本球界を見渡しても鈴木誠也くらいではないでしょうか。

 好調を維持する鈴木誠也ですが、首位打者争いだけではなく、本塁打王争いにも加わってきました。

 10月17日の阪神戦。4回表には秋山拓巳の緩いカーブを上手に静止してバットを振り抜くと本塁打。8回表にはアルカンタラの150km超えのストレートをジャストミートしてレフトスタンドに放り込みました。

 39本の村上宗隆、岡本和真まで1本差。残り6試合、優勝争いをしているチームが相手なので、なかなかストライクゾーンで勝負してもらえないかもしれないですが、逆転劇に期待したいですね。