名門の智弁和歌山高で背番号1を背負った小林樹斗投手。実戦で結果を残し、11月1日のヤクルト戦(神宮)でプロ初登板・初先発のマウンドにあがる。

 カープの2021年シーズン最終戦となる11月1日のヤクルト戦(神宮)で、高卒ルーキーの小林樹斗がプロ初登板・初先発のマウンドに上がる。

 小林は智弁和歌山高からドラフト4位で入団。春季キャンプでは、ブルペンで152kmを計測するなど、潜在能力の高さを見せると、4月3日にマツダスタジアムで行われたウエスタン・リーグ公式戦で、異例とも言える早さで実戦デビュー。1回を三者凡退の無失点に抑える投球をみせた。

 キャンプ中の取材では「(自信のある球種は)一番は真っすぐだと思いますけど、真っすぐに近いカットボール、スプリットにも自信を持っています。今は全ての球種のレベルアップを図っている段階ですが、カットボールの球速が140キロを超えましたし、スプリットも140キロ近く出たので状態は悪くないと思っています」と話すなど、自身の武器となる球種に手応えを感じていた。

 二軍での初登板以降は、強化指定選手としてプロの投手として戦っていくための体づくりに取り組み、本格的に実戦に戻ってきたのは9月。プロの打者との対戦を通して着実に力をつけてきた。

 ウエスタン・リーグでは8試合に登板し0勝2敗、防御率3.30。勝ち星こそつかなかったが、5試合に先発し、30イニングを投げ抜いた。10月から始まったみやざきフェニックス・リーグでは3試合に先発し、防御率は2点台と安定感のある投球を続けたことで、最終戦で白羽の矢が立った。

 高卒1年目での初登板初先発は2012年の戸田隆矢以来。先発白星をあげれば、2006年の齊藤悠葵以来の記録となる。

「野球をやっている以上は一軍で試合をしたいという気持ちがあるので、一日でも早く一軍のマウンドに立って勝つことを目標に今季はやっていきます」

 開幕前に話していた通り、1年目から有言実行を果たし、プロ初登板を勝ち取った小林。今夜のシーズン最終戦は、小林の衝撃デビューを期待したい。