ロッテの小窪哲也(36)が今季限りでの現役引退を表明した。

今季限りでの現役引退を表明した小窪哲也(写真はカープ時代)

 奈良県出身の小窪はPL学園、青山学院大とアマチュア球界の名門を経て、2007年の大学・社会人ドラフト3巡目でカープ入団。大学・社会人ドラフトでの同期は篠田純平(1巡目)、松山竜平(4巡目)ら、高校生ドラフトでの同期には安部友裕(1巡目)、丸佳浩(3巡目・現巨人)らがいる。

 即戦力内野手としてルーキーイヤーから一軍出場を果たし、いずれも自己最多となる98試合に出場し74安打をマーク。2年目には梵英心、石井琢朗らとポジション争いを演じながら、70試合に出場して打率.295を記録した。

 3年目以降は毎年のようにポジション争いを演じ、2014年からは勝負強い打撃で代打の切り札としても活躍。2014年に自己最多となる30打点を記録すると、2015年には代打満塁本塁打を放つなど代打で50打数19安打、打率.380と高打率を残した。

 2016年から2年間は選手会長を務めた。自身は思うような数字を残せなかったものの、リーダーシップを発揮して25年ぶりのリーグ優勝と連覇に貢献した。その後は一軍での出場機会を減らし、2020年限りでカープを自由契約となっていた。

「もっともっと野球が上手くなりたいという気持ちは変わりません。国内最高峰の舞台へ挑戦できる可能性がまだ少しでもあるのならば、やるしかない。最後まで諦めず、頑張っている姿を見せたい」

 現役続行へ強い気持ちを持ちながら、13年在籍したカープを退団後もNPB復帰を目指し、単独でトレーニングを続けた。6月には熊本の独立リーグ「火の国サラマンダーズ」に入団し、3ヶ月プレーした後、8月末にロッテに入団し、NPB復帰を果たした。

 ロッテでは右の代打として期待され、一軍昇格した9月9日には移籍後初スタメンを果たし、初安打となる本塁打も放った。その後は安打を放つことはできず、7試合出場で打率.056、1本塁打、2打点だった。

 通算成績は712試合に出場し、打率.257、386安打、19本塁打、155打点。カープ3連覇を陰で支えた男が、静かにユニホームを脱ぐ。