ドラフト1位で入団以来、毎年期待され続けたプロ8年目の髙橋大樹が、無念の戦力外通告を受けた。

鈴木誠也と同期の髙橋大樹。力を発揮できず無念の戦力外となった。

 龍谷大平安高時代は4番を打ち、高校通算43本塁打をマーク。甲子園には2年夏、3年夏と2度出場し、3年時には第25回AAA世界野球選手権大会の日本代表にも選出されるなど、強打の外野手としてプロから注目を浴びる存在だった。

 そして2012年ドラフトでカープから1位指名を受けた。入団会見では「最多安打を目指します」と語るなど、周囲からはその将来を嘱望された。入団後は同期の鈴木誠也(2位)、美間優槻(5位)と共に高卒野手トリオで二軍で汗を流した。

 一軍初出場はプロ2年目の2014年。6月18日に初の一軍昇格を果たすと、同日の楽天戦(マツダスタジアム)では8番・指名打者で一軍初出場・初スタメンを飾った。しかしこの年、6打数無安打と一軍では安打を放つことができなかった。

 その後は二軍でもなかなか数字を残せない日々が続いた。しかし、2017年には二軍で87安打を放つなど結果を残すと、プロ6年目の2018年にはファームで月間MVPを獲得するなど打撃の進化を見せた。同年4月30日の阪神戦ではプロ初安打も記録した。

 また翌2019年にはDeNA戦でプロ初本塁打を放つなど27試合に出場し、12安打、1本塁打、3打点を記録。積極的に振っていくスタイルで一軍外野争いを演じた。しかし、2020年は一軍で3安打と一軍に定着できず。逆襲を誓った今季は一軍出場もなかった。

 プロ9年で残した数字は通算49試合に出場し、打率.253、20安打、1本塁打、3打点。同期の鈴木誠也と共に期待され続けた男が、赤いユニホームを脱ぐ。