パンチ力ある打撃を売りとしてきたプロ4年目の外野手、永井敦士(21)が無念の戦力外通告を受けた。

中村奨成と同期入団の永井。プロ4年間で一軍昇格はなかった。

 永井は鈴木誠也と同じ二松学舎大付高出身。高校時代は4番を打ち、高校通算47本塁打。3年夏の甲子園にはチームの主砲として出場した。中村奨成のドラフト1位指名が話題となった2017年ドラフトでカープから4位指名されて入団した。

「やっぱり誠也さんのような選手になりたいです。母校の偉大な先輩ですし、いつか誠也さんと一緒に一軍の舞台で活躍できるように、一生懸命頑張ります。そして、いつか一軍の舞台でトリプルスリーを達成したいです」

 高校の先輩である鈴木をお手本としながら、希望に満ち溢れた永井のプロ生活がスタートした。2018年のルーキーイヤーは二軍で62試合に出場した。2本塁打を放ったものの、24安打、打率.149。

「『何やってんだ』と自分を怒りたいくらい不甲斐ない1年間でした」

 そう語るように、悔しいプロ生活のスタートとなった。そんな自らを打破すべく、永井は尊敬する先輩である鈴木にアドバイスも求め、マツダスタジアムで練習を共にした。

 飛躍を誓ったプロ2年目は、二軍で85試合に出場し、44安打、打率.250、3本塁打と前年を上回る数字を残した。守備面においても、「ある程度余裕を持って守備に入れるよになりました」と手応えを感じていた。

 地道にステップアップしていた永井だったが、プロ3年目に左手を骨折するなど故障に泣いた。「今年こそやってやろうという気持ちの中でケガをしてしまって・・とても悔しいです」。2020年は同じ外野手の大盛穂、1学年後輩となる羽月隆太郎も外野として存在感を示すなど、ライバルたちのアピールに焦りを感じる日々を送っていた。

「結果が全てだという思いを持って、とにかく打っていきたい」

 強い気持ちを持って迎えたプロ4年目の今シーズン。二軍で60試合に出場するも、17安打、打率.207、本塁打は0と、アピールすべき打撃面で結果を残すことができなかった。

 プロ4年間で一軍昇格はならず、先輩である鈴木誠也とのプレーは叶わなかった。しかし21歳と若いだけに、カープ時代の経験をこの先の人生に生かしてほしい。