“あのシーズンの今日のカープ”はどんな出来事があったのか?を振り返る本企画。

 今回は5年前の今日、2016年11月5日。“25年ぶりに優勝したカープが、41年ぶりに優勝パレードを行った日”を改めて振り返っていく。

2016年限りで引退した黒田博樹とシーズンMVPに輝いた新井貴浩。

 2016年、カープは黒田博樹、新井貴浩の両ベテランが投打で柱となり、チームを牽引したシーズンだった。4月には新井が通算2000安打を達成すると、7月には黒田が日米通算200勝を達成するなど、2人の記録もチームに勢いをつけ、一丸となった。

 打線は田中広輔、菊池涼介、丸佳浩(現巨人)のタナキクマルトリオを中心に、当時プロ4年目の鈴木誠也が「神ってる」活躍で大ブレーク。前年得点力不足に泣いた打線はリーグ屈指の強力打線に変貌を遂げ、45回の逆転勝利を記録するなど「逆転のカープ」と呼ばれた。

 投手陣は黒田を中心に、最多勝に輝いた野村祐輔、ジョンソンの3本柱が先発陣を固め、今村猛、ジャクソン、中﨑翔太が勝利の方程式として終盤を締めた。

 首位を快走したチームはマジック1で迎えた9月10日、25年ぶりの優勝を決めた。

 その後日本ハムとの日本シリーズでは惜しくも日本一を逃したものの、11月5日に球団は初優勝を果たした1975年以来、41年ぶりとなる優勝パレードを開催した。

 パレード当日は晴天の中、広島市の平和大通りで行われ、選手、スタッフたちは3台のオープンカー、5台のオープンバスに乗り込み、約3キロを約30分間かけて行進。沿道には約31万3000人のカープファンが詰めかけ、選手たちを大声援で祝福し、選手たちは笑顔でその声援に応えた。

 パレード直後、選手たちはマツダスタジアムで優勝報告会を行い、ここで黒田博樹の引退セレモニーも行われた。マウンドの前で涙する黒田の姿は感動を呼んだ。

 2016年11月5日は、カープファンにとって忘れられない1日となった。