2018年、4球団競合の末、ドラフト1位で入団。当時の高校球界を代表する野手は、1年目から一軍を経験し、明るい未来を予感させた。しかし、2年目は一軍出場わずか3試合。悔しさを経験したことで、3年目の今シーズン、一軍でショートのポジションをつかみとった。ドラフトから飛躍を遂げるまでの軌跡を成長を続ける小園の言葉で振り返っていく。(全4回のうち2回目・取材は10月上旬)

プロ3年目、一軍に定着し結果を残した小園海斗選手。

◆広島で歩み始めた『日本一へのショート』への道

─入団1年目。高卒ながら開幕一軍入り。その後二軍に降格するも、6月20日に一軍再昇格。昇格当日のロッテ戦(マツダスタジアム)では「1番・ショート」でプロ初先発デビューを果たしました。その後も一軍で活躍し、最終的に58試合に出場し打率・213、4本塁打を記録。1年目の一軍での経験は小園選手にとってどんなものだったのでしょうか?

「高卒でしたし、とにかく目の前の1日1日を全力でやり抜くだけでした。一軍の試合で感じたのはプロのレベルの高さ。今の自分のレベルでは、全然通用しないなと痛感したのを覚えています」

─飛躍を期待された2年目でしたが、一軍出場はわずか3試合。無安打のままシーズンを終わりました。悔しさも辛さもあったと思いますが、この2年目の経験はどう活きていますか?

「1年目に一軍を経験させてもらったことで、2年目はこの経験を絶対に活かそうと思い取り組んでいましたが、まだそのレベルには達していなかったんだと思います。1年のほとんどを二軍で過ごしましたが、二軍でもシーズン開幕当初は全然結果を残せませんでした。ただ、コーチや先輩からいろいろ教えていただき、とにかく一軍につながるように練習してきた結果、打撃の感覚を取り戻し、二軍のシーズン後半は3割近く打てるようになりました。絶対に諦めない、その気持ちだけは忘れることなく取り組んできたことで、二軍のレベルではある程度できるようになったのかなと思います」

─8月に東出(輝裕)二軍打撃コーチに話を伺った際、「小園が2年目の頃は、集中力に欠けていたり、言い訳をした時は、小園のためにも厳しく接してきた。ただ、今年は軽い行動や言動が減ってきた」と言われていました。小園選手自身も精神的な成長を感じていますか?

「2年目は全然結果が出なくてイライラすることが多かったのもたしかです。その時に東出コーチから、プロ野球選手として正していかないといけない部分を、ときには厳しく指摘していただきました。また、ショートは守備の中心なんだから、結果が出なくてもしっかり切り替えてプレーしないといけないとも言っていただき、周りからの見られ方もより意識するようになりました。2年目に悔しい経験をしたことで、絶対に結果を残そうという気持ちがより強くなりましたし、そういう部分では、昨年、二軍で過ごした日々は自分にとって必要な時間だったなと感じることもあります」

●小園海斗(こぞの かいと)
2000年6月7日生(21歳)/兵庫県出身/178cm・84kg/右投左打/内野手/報徳学園高-広島(2018年ドラフト1位)
【2021年成績】113試合 打率.298 134安打 5本塁打 35打点 4盗塁