2021年カープの成長株・小園海斗と林晃汰。成長著しい高卒3年目コンビの対談が実現した。中学の頃からお互いの存在を認め合ってきた二人がお互いに刺激を受けていること、今季印象に残った場面、成長を感じたシーンなどを語り合った。(全3回のうち2回目。取材は12月上旬)

1回目はこちら

小園海斗(右)と林晃汰の対談シーン

◆タイプが違うからこそ見える相手の進化と成長のきざし

─続いてこちらの質問を。2021年、一軍でのお互いの姿を見て「こいつ成長したなぁ」と感じた部分はありますか?

小園:林は逆方向への力強い打球が増えた印象です。ホームランバッターですが、全部本塁打を狙いにいっているわけではなく、場面によっては、しっかりコンタクトして、ショートとレフトの間にうまく落とすシーンもありましたし、そのあたりのバットコントロールがうまいなぁと思って見ていました。だから打率も残っているのだと思います。僕はホームランバッターではないので具体的な感覚は分かりませんが、ホームランを狙いにいくと、細かなバットコントロールは難しい面があるんじゃないかと思うんです。それがホームランも打ててバットコントロールも良くなると、吉田正尚(オリックス)さんのような、豪快さもありつつ、打率も残せる打者になっていけるんじゃないかなと思います。

─アベレージが残せて本塁打もある打者は、投手にとっては対戦したくない嫌なバッターになるでしょうね。

小園:そうなんです。自ずと投手もボール球を投げてきやすくなって、ヒットが出なくても四球で出塁できるようになるのではないかと思いますね。そんなバッターになってきたところが、林を見ていて成長したと感じるところですね。

─では逆に林選手から見て、小園選手の〝ここがすごく良くなった〟という部分を教えてください。

林:僕は守備ですね。一軍の試合で三遊間を一緒に守らせてもらいましたが、ショートの守備がやっぱりうまい。昔より、めちゃくちゃうまくなっていると思いますね。三遊間に飛んできた球をほぼほぼ全部取ってくれるので(笑)。

─試合を重ねるたびに三遊間のコンビネーションは良くなりましたか?

林:僕はマジで任せっきりなのでコンビネーションどころではないなと(笑)。

小園:サードとショートで、コンビといえばコンビですけど、三遊間でゲッツーとかはないですからね。ショートのポジションで僕が意識しているのは、打球が飛んできた時の声かけです。「ここまで俺が走るよ」とか「この打球はそっちに任すよ」など、そういったコミュニケーションは意識していますね。(つづく)

●小園海斗(こぞの かいと)
2000年6月7日生(21歳)/兵庫県出身/178cm・84kg
右投左打/内野手/報徳学園高-広島(2018年ドラフト1位)
【2021年成績】113試合 打率.298 134安打 5本塁打 35打点 4盗塁

●林晃汰(はやし こうた)
2000年11月16日生(20歳)/和歌山県出身/182cm・99kg
右投左打/内野手/智弁和歌山高-広島(2018年ドラフト3位)
【2021年成績】102試合 打率.266 95安打 10本塁打 40打点