◆17年間にわたり23番を背負った剛腕リリーバー

 1988年に「46」から変更して「23」を背負ったのが、捕手の植田幸弘。ドラフト外で1983年に入団した植田は正捕手・達川光男の控えに位置し、4年目の1986年に一軍で初出場。「23」を着けた1988年から試合数も増え、1990年にはキャリアハイの74試合に出場した。1994年に西武に移籍。

 1998年に「53」から変更して2014年の引退まで17年間にわたって「23」を着けたのが横山竜士。もちろんこれが「23」の最長記録だ。1994年のドラフト会議で5位入団した横山は、3年目の1997年に一軍初登板。その年、中継ぎに定着し56試合に登板。10勝を挙げる活躍をみせた。

 背番号を「23」に変更後、1999年には先発にも起用されたが、右肩の負傷で失調。その影響が長引いたが、2005年にはセットアッパーとして復活を果たした。2006年は永川勝浩から横山、そしてベイルへとつなぐ継投が「NYB」と呼ばれるようになった。

 2009年にはキャリア最高の69試合に登板するも、2011年に腰の手術を受けてからは投球回数も減り、2014年シーズン限りで引退。選手生活のほとんどを背番号「23」とともに過ごした横山は、2020年にコーチとして球団に復帰した。

◆2017年最高勝率のタイトルを獲得した広島出身の右腕

 その後を受け、2015年から「23」を着けているのが、ドラフト2位入団の薮田和樹だ。岡山理大附属高、亜細亜大では故障もあり大きな成果は出せず、ほぼ無名の存在だったが、スカウトがひょんなことからその存在を知り、ポテンシャルを買われてカープに入団。ルーキーイヤーの7月には一軍初先発・初勝利を記録と上々のスタートを切った。

 2017年には開幕から一軍入りし、6月にはプロ初の完封勝利。この年15勝を挙げ、.833で最高勝率のタイトルも獲得。リーグ連覇に大きく貢献した。だがその後は不調に苦しみ、一軍定着には至っていない。2017年の活躍を見てもポテンシャルは高いだけに、再びの開花に期待したいところだ。

【背番号『23』を背負った主なカープ選手】
山崎隆造(内野手/1977年-1982年)
植田幸弘(捕手/1988年-1993年)
横山竜士(投手/1998年-2014年)
薮田和樹(投手/2015年-)
※初めて背番号を付けたシーズンのポジションを表記。