日に日に熱を帯びるカープの春季キャンプ。4年ぶりのAクラス、その先にあるリーグ優勝を目指し、3年目を迎える佐々岡真司監督がどのようなチームを作り上げていくか注目が集まる。

 今季、チームが躍進を果たすうえでポイントとなるのが“セットアッパー”。昨季は8回のイニング別失点がリーグワーストの100失点。その数字が示すように、守護神・栗林良吏につなぐまでの、7回と8回を担うリリーフ投手がシーズン終盤まで決まらなかった。

 そのセットアッパー候補として期待されているのが4年目を迎える島内颯太郎だ。昨年は9月以降、栗林へとつなぐ“8回の男”として、勝ち継投を担うことが増えた。ここでは、その島内の言葉を再収録する。昨秋に行ったインタビューで、力強い直球が魅力のリリーバーが話していた手応えとは。

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一番の武器はストレート。真っ向勝負で観る者を魅了する島内颯太郎。

◆技術的な部分の成長もありますが一番変わったと思うのは…

─2021年9月は13試合に登板し防御率0.82。素晴らしい成績が残っています。

「自分の投球をしようと1試合1試合投げてきた結果だと思っているので成績に関して、特別な意識はありません」

─2021年シーズン、開幕一軍入りを果たすもシーズン中に二度、二軍を経験されました。降格した際は、どんな課題を持って調整を続けてこられたのでしょうか?

「4月に降格した際は、打者ではなく自分との勝負になっているところがありました。二軍の投手コーチからもその部分を指摘されたので、二軍の実戦では、打者によって配球を考えたり、ゾーンの中に球を集める攻めの投球を心がけるなど、打者と勝負することを意識して調整を続けました。また、投球分析システムを使い、良い状態の時とのズレなどを見直しました。7月にも二軍に行きましたが、この時は打者と勝負した中で期待される結果を残せなかっただけなので、自分の中でそこまで悪いイメージはありませんでした。春先に二軍で培ったスタイルを崩さずにやってきたことが、9月以降の成績に出てきたのかなと思います」

─その中で、手応えを感じた登板はありますか?

「7月9日のヤクルト戦(神宮)での登板です。1点リードの8回に投げ、相手のクリーンアップを三者凡退に抑えることができました。気持ち的に乗っていけたという面で印象深く残っています」

─2021年でプロ3年目。入団以降、どんなところが成長したと思われますか?

「技術的な部分での成長もありますが、一番変わったと思うのはマウンドでの気持ちのつくり方です。1年目は、チャンスをもらっているので抑えないといけないという思いが先行して、試合に入り込めていないことがありました。まだまだな面はありますが、登板を重ねるうちに、目の前の打者をどう抑えるかに意識を集中することができるようになりました」