4年ぶりのリーグ優勝に向けて春季キャンプに取り組むカープ。OBの笘篠賢治氏に、キャンプを見て感じた、カープ期待の若手選手について聞いた。

日南キャンプで守備練習に取り組む羽月隆太郎。

◆羽月のスピードは一軍で十分勝負できるレベル

 キャンプ中継の解説があったので、第2クールを天福球場で見てきました。投手陣は充実しているように感じましたが、野手陣は打順も含めてレギュラーがまだ見えてこない状況です。

 若手のアピール合戦が続いていますが、そろそろ実戦に向けてチーム構成を考えないといけないところです。正直、首脳陣も悩んでいるところがあるのではないでしょうか。

 その中で面白い存在だと思ったのは羽月隆太郎です。

 2月6日のスチールスローという盗塁を阻止する練習で6回中全て盗塁を成功していたのですが、これは武器になりますよね。

 リードの幅を広げる練習に取り組んでいますし、羽月のスピードは十分に勝負できるレベルです。足が持ち味の選手は他にもいますが、断トツで光るものを見せていました。

 今季は機動力を使った野球をやりたいという狙いでいろいろな練習を進めていますが、羽月にとっては大きなアピールになったのではないでしょうか。セカンドには、師匠でもある菊池涼介がいますが、なんとか出場機会を手にしてもらいたいですね。

 サードのポジションで出場する可能性もあるかもしれません。

 サードには4番候補として育てたい林晃汰がいますが、第2クールまでの打撃を見ていると、正直ちょっと厳しい状態です。オープンスタンスで構えているのですが、足を上げて踏み込んでいったときにボールに入っていけていません。

 ヤクルト・村上宗隆のように育てていきたいのであれば、レフト方向にも右打者が引っ張って打ったような強い打球を飛ばせるようにならないといけませんが、今は、アウトコースの球が手打ちになっているように感じます。守備を考えると、打撃面で改善が見られないと使いにくくなってしまいます。

 もちろん羽月も打撃をまだまだレベルアップしていかないといけません。バットのトップの位置が、もう少しバットが出やすいところにあると、ボールを線で捉えられるようになり、もっと率が上がってくるのではないかと思います。

 連続ティーの時は、続けて振らないといけないので、バットが出しやすいところにあるのですが、1球1球丁寧に打とうとすると位置が変わっています。そのあたりを意識してやっていければ、足という大きな武器があるだけに、レギュラーにぐっと近づいていくと思います。