4年ぶりのリーグ優勝に向けて、春季キャンプに取り組むカープ。OBの笘篠賢治氏に練習を見て感じた、カープ期待の若手選手について聞いた。

春季キャンプで打撃練習に取り組む末包昇大

◆体の開きの早さを改善できるか

 主軸として期待されていた坂倉将吾、そして新外国人のマクブルームが開幕に間に合うか厳しくなってきました。他球団に比べて、打撃陣は少し出遅れているだけに、開幕に間に合わない想定で戦術を組んでいく必要があると思います。

 野手に関しては、若手戦力の見極めをしている段階でしょうが、開幕1ヶ月前というところでどのような打線を組んで、どんな野球をしていくのかが見えてこないと、ちょっと不安になってしまいますよね。解説者はこの時期、今季の順位予想をする機会があるのですが、正直なところまだ読めないのが現状です。

 若手を積極的に使っていく中でも、この時期は、他球団に今年のカープの野球を印象づけないといけない時期でもあります。なので、もっと積極的に足を絡めていくのも一つの方法だと思います。

 そんな中、個々の選手に目を向けると、ルーキーの末包昇大がコンスタントに安打を放っています。鈴木誠也から電話でアドバイスをもらったみたいですが、「大空に打とう」というイメージは、末包にとって必要なことだったと思うので、鈴木誠は流石だと感じましたね。

「上を向いて打つ」というのは、指導でもよく使われるフレーズです。右打者の場合だと、右手が早く返ってしまうタイプや、体の開きが早い選手に向けてのアドバイスになります。

 キャンプを見ていると、末包は、ちょっとレフト方向に引っ張りたがっていたので、右肩が早く出てきていました。それが「上を向いて打つ」意識を持つことで改善されるケースも多いです。

 ただ、体の開きが早いのは、これまで野球をやってきた中でついた癖なので、いずれまた出てくるかもしれません。その時は、鈴木誠の言葉を思い返して修正してもらいたいですね。そのためにも、末包には、言葉の意味をしっかりと理解してもらいたいと思っています。