3年連続Bクラスからの逆襲を狙う今季のカープ。森下暢仁、栗林良吏、小園海斗、林晃汰といった若い力が台頭し、世代交代が進みつつあるが、その一方で「3連覇」に貢献した中堅、ベテラン選手の復活にも期待したいところだ。
■田中広輔
(2021年成績/81試合 打率.206 本塁打2 打点8 盗塁1 出塁率.308)
今季で33歳を迎え、「ベテラン」の域に差し掛かっているが、連覇が途絶えた2019年以降は苦しい3年間を過ごしている。
とはいえ2020年からは選手会長を務めてチームの精神的支柱を担うなど、その存在感はまだまだ健在。持ち味の選球眼はいまだ衰えておらず、昨季も打率を1割近く上回る出塁率を記録した。
2019年8月に右ヒザを手術した影響か、スピードには陰りがみられるが、経験と高い野球IQを武器に再び遊撃手争いに食い込みたい。
目下のライバルは高卒4年目、11歳下の小園海斗になるが、「壁は厚い」ことを見せつけることができれば、今季はもちろん、チームの将来にも必ずプラスになるはずだ。
■中﨑翔太
(2021年成績/4試合 0勝0敗0H0S 投球回4 奪三振1 防御率13.50)
チームの3連覇に貢献した絶対的守護神だが、右ヒザや右腕手術の影響もあってこの2年間は一軍登板機会自体が激減中。昨季の登板数は一軍デビュー以降キャリアワースト。
ただ、二軍では34試合に登板して4勝6敗4S、防御率3.00と着実に復活ロードを歩んでいる。昨年11月時点で直球の最速が150キロをマークするなど、かつての球威も取り戻しつつある。
現クローザーには栗林良吏が君臨するが、リリーフ陣を見渡すと経験不足は否めない。「3年連続胴上げ投手」という文句なしの経験値を誇る中﨑が復活し、ブルペン陣に加われば、これほど頼もしいことはない。
■堂林翔太
(2021年成績/70試合 打率.190 本塁打0 打点5 盗塁2 出塁率.234)
2020年に「二度目のブレイク」を果たしたプリンスだったが、昨季は再び苦しいシーズンを過ごした。
三塁には伸び盛りの林晃汰が台頭。今季で31歳を迎えることを考えれば、「待ったなし」なのは間違いない。
ただ、チームは鈴木誠也のメジャー移籍で「右の強打者」が枯渇気味。右中間にも伸びのある打球を放てる長打力は「天性のモノ」だけに、「三度目のブレイク」が実現すれば打線の厚みはグッと増す。
三塁だけでなく一塁、外野も守れるユーティリティ性を強みに、今季はポジション&打順にこだわらない「泥臭いプリンス」の姿を見たい。