4年ぶりのリーグ優勝に向けて、春季キャンプを終え、オープン戦に突入したカープ。OBの笘篠賢治氏に、2月下旬から始まったオープン戦を見て感じたことについて聞いた。

オープン戦、打撃好調の堂林翔太。

◆真面目すぎる性格を打ち破ることで生まれる変化

 野手陣で気になった選手をあげると、堂林翔太が3試合連続安打(3月4日時点)と良い活躍を見せています。

 長くプロでやってきた中で積み重ねてきた経験もありますし、若手に比べたら落ち着きみたいなものを感じます。打席の中で早めに追い込まれても、カウントを整えてヒットにしたりもできています。今年は頼れる存在になってくれるような内容ですよね。

 あとは真面目な性格を打ち破れたら、よりいいんですけどね。これまでインタビューなどで話している感じを見ても、どちらかというと、はっちゃけるようなタイプではありません。今年はもう少し、そういった部分のスイッチを入れられるようになると、気がラクになれるのではないかと思います。

 私もそれを現役時代にできなくて、もっとくだけたことを言えたりすることができていたら良かったなと思うんです。子どもの頃はそういったタイプだったのですが、兄が先にプロ入りしたこともあり、野球に打ち込んでいくうちに、自分の中で抑え込んでいたんですよね。

 今でこそ解説をやるようになって冗談を交えたりできるようになったのですが、これが選手時代にできていたらもっとラクになれたんだろうなと。なので、堂林もユニホームを着ているときでも、そういう一面を出せるようになるといいんですけどね。

 最後に、一軍から離れてしまった正隨優弥にエールを送りたいです。キャンプから気持ちが出ているのを見ていました。末包昇大と中村健人のルーキー2人が目立ってしまうのは仕方ないのですが、本来であればチャンスを与える優先順位は正隨の方が上でもいいのではないかと思います。

 彼の心境心理が痛いほどわかるだけに、かなり悔しい思いをしているはずですが、ここでやけくそにならずに必ず這い上がってきてもらいたいです。