先発、リリーフ陣と多くの若手投手が注目されている2022年キャンプ。今回は、キャンプ序盤を視察した大野豊氏が、カープ投手陣について語っていく。
※取材は2022年2月上旬。
◆上位進出を狙う上で大事なセットアッパー争い
昨年セットアッパーを争った島内、塹江、ケムナの3投手。この3人は昨季それぞれ40試合以上を投げていますが、中でも島内はチームトップクラスの球速を誇るストレートを投げて存在感を示しました。
キャンプでは序盤にしては非常に強い球を投げ込んでいた印象です。彼の場合は何と言っても課題は制球力です。ここが昨季からどんな進歩を見せてくれるかでしょうね。
ケムナですが、ブルペンでは角度のある球を投げていましたが、全体的な制球という面では、まだまだだなという印象を受けました。
一方左腕の塹江については、とてもノビのあるスライダーを投げ込んでいましたが、やはりコントロールという点でバラつきが目立っていました。まだまだ自分のタイミングの中で、軌道に入れながら投げることができていないのでしょう。ただ、塹江の場合は細かい制球よりも、打者に向かう姿勢も必要だと感じるので、まずは気持ちを出しながら制球力を求めていってほしいです。
いずれにせよ、彼らの課題は制球力ということになりますが、この時期にそれなりに投げられる状態にあることはプラスに捉えて良いでしょう。そして自分の持ち球をいかに操れるかというところが、このキャンプでの大きなポイントとなってくるのではないかと思います。
セットアッパーを任せられる存在となるには、安定感のある投球をいかに身につけていけるかどうかです。それぞれ経験は十分に積んできたわけですから、いかにその経験を生かして今年成長できるかが大事になってきます。
そういう意味では、誰よりも経験を持つ中﨑も含めたセットアッパー争いというのは、今季カープが安定した戦いを展開する上で、非常に大事なポイントとなるでしょう。
