2022年の開幕戦まで2日。カープは大瀬良大地が開幕戦のマウンドにあがる。大瀬良は平成最後のシーズンとなった平成31年に開幕のマウンドにあがり、そこから3年連続で開幕投手を務めてきた。今年も開幕戦のマウンドにあがれば、4年連続4度目の開幕投手となる。

 令和以降、開幕投手を担っているのは大瀬良大地だが、これまで、開幕のマウンドには、その時代のエース級投手たちが上がってきた。ここでは令和の前の時代、「平成」にフォーカスを当て、時代を彩ったカープのエースたちが託されてきた開幕戦の歴史を辿っていく。

◆才能を開花させたドラ1右腕

前田健太

前田健太
平成開幕投手回数:5回
2006年高校生ドラフト1巡目
日米通算成績/387試合156勝108敗 投球回 2271回2/3 防御率2.89

 黒田博樹が米大リーグへと旅立って以来、大竹寛、コルビー・ルイスが務めていた開幕投手の座だったが、平成22年は開幕前に大竹が故障。空席となったその座に指名されたのがプロ4年目の前田健太だった・

 当時21歳の若鯉はその年にリーグ優勝を果たすことになる中日打線を8回1失点に抑え勝利投手に輝き、見事大役の責務を果たした。開幕以降抜群の安定感を見せていた前田は最終的にキャリアハイとなる15勝をマーク。2010年代を代表する投手として名実共に全国にその名を轟かせるシーズンを過ごした。

 平成25年は開幕前に開催されたWBCの影響でバリントンにその座を譲ったが、翌平成26年そしてマツダスタジアム移転後初の開幕戦となった平成27年にも開幕投手を務め上げるなど、開幕のマウンドには通算5回上がった。

◆2000年代のカープを支えたミスター完投

 

黒田博樹
平成開幕投手回数:5回
1996年ドラフト2位
日米通算成績/533試合203勝184敗 投球回 3340回2/3 防御率3.51

 球団史上最多タイとなる平成開幕投手回数5回を記録したのはチームの低迷期を力強い投球で支えたカープの背番号15・黒田博樹。

 平成13、14年と2年連続で二桁勝利を達成して周囲からの信頼を得ると、長年カープのエースの座に君臨してきた佐々岡真司に代わって平成15年に初の開幕投手の座を任された。

 大舞台に上がった背番号15はこの試合で完投勝利を記録するなどエースの名にふさわしい力投を見せた。翌平成16年は自責点7と打ち込まれたが平成17年以降は3年連続でチームは開幕戦白星を記録。いずれの年もエースとしてゲームをつくり、エースとしてのプライドを見せつけた。

 なお平成15年からの5年連続開幕投手は長谷川良平以来となる球団2人目の記録となっている。