キャンプを一軍で完走し、開幕先発ローテ入りの期待もあったがオープン戦で結果を残せず二軍での調整を余儀なくされた。ただ、この悔しい経験が左腕を成長させる原動力となる。森翔平が目指すのは『勝てる投手』。大学も社会人も経験しプロ入りした即戦力左腕の胸の内に迫る。(全3回のうち2回目・取材は2022年3月上旬)
◆一軍の先発ローテを目指したい
─今季から就任した、同じ左腕の高橋建投手コーチからはどんな助言が?
「よく言われるのは制球力についてです。自分の球を、投げたいコースに投げられていないことについてアドバイスをもらっています。実際、試合では高く浮いた球はほぼ確実に捉えられました。低めを狙って投げても球が高めに浮くことがあるので、低めに投げる感覚を早く自分のものにしたいですね。また、四球を減らすという意味でも、直球も変化球もゾーンにしっかり投げ込んで勝負する大切さを、これまで以上に意識するようになりました」
─入団会見では〝勝てる投手になる〟ことを目標に掲げられました。森投手の考える『勝てる投手』とは?
「理想は任された試合を無失点に抑えることです。ただ、無失点にこだわり過ぎると上手くいかないと思っているので、先発であれば6回を3失点以内に抑える投球を目指したいです。また、僕は打たせてアウトを奪うタイプの投手だと思っているので、周りにも声をかけながら、野手に信頼される投手になっていきたいと思っています」
─プロでは先発として活躍したいという思いがありますか?
「そうですね。一軍の先発ローテになんとかして入りたいと思っています」
─オープン戦では結果を残すことができませんでした(2試合に登板し11失点)。プロの打者と対戦し、どんな印象を受けましたか?
「腕の振りが弱いと変化球は見逃されますし、逆に甘い球を投げると一球で仕留められます。それを恐れ、小手先で勝負してしまった部分があるので、今後はゾーンを大胆に使い、自分の球を投げ切れるようにしたいです」
─ドラフト直後の本誌の取材では、ストレート、スライダー、チェンジアップを中心に配球を組み立てたいと話されていました。これまで、この3球種の手応えはいかがですか?
「カーブやチェンジアップの緩い球を、しっかり投げ切れたときは打者の反応が良く、手応えも感じられました。ただ、今はまだカウントを整えることで精一杯なので、数多く有利なカウントをつくれるようになれば、打者の反応も違ってくると思っています」(続く)
◆森翔平(もり しょうへい)
1998年1月1日(24歳)/鳥取県出身/177cm・80kg
左投左打/投手/鳥取商高-関西大-三菱重工West-広島(2021年ドラフト2位)