25試合を戦って15勝9敗1分で、セ・リーグ2位のカープ。OBの笘篠賢治氏に、開幕から活躍を続けてきた上本崇司、ショートのレギュラーとして奮闘する小園海斗について語ってもらった。

今季、初の開幕スタメンに抜擢された上本崇司(今年の春季キャンプで撮影)

◆選手の状態を見ながらの臨機応変な起用が光る

 打率が伸びず、状態が心配だった小園海斗ですが、4月22日のDeNA戦で打順が3番から8番まで落ちました。小園の状態を見ていると、タイミング的に、そろそろ後ろの楽なところで打たせて調子が上がるのを待ったほうが良いか、もしくは、一度休ませて徹底的に練習で感覚を取り戻させて、その間は、代わりに田中広輔を遊撃手で使うのも方法の一つだとは思っていました。

 1番の西川龍馬、2番の菊池涼介は調子が良いだけに、3番で流れが切れていたのはもったいなかったですからね。小園自身も大事な役割でなかなか打てていないというのは苦しかったと思います。

 ただ、8番での出場が功を奏したのか、4月22日の試合で、初回にセンター前に適時打を放つなど、3打数2安打と結果を残しました。これをきっかけに、徐々に自分の打撃を取り戻してもらいたいですね。

 また、上本崇司は、連続無安打が続くなど当たりが止まっていたこともあり、首脳陣は休ませるという判断を下しました。これまでスタメンでずっと出続けるという経験がなかったぶん、連戦続きでの疲れが溜まってきている時期でしょう。そんな状況で無安打が続き、上本本人も悩んでいたのではないかと思います。

 守備ではしっかりと貢献してくれていますが、今回のように休ませながら、もう一度気持ちをリセットさせて、状態を見つつ試合で使ってもいいかもしれません。

 正捕手の會澤翼も休ませながらの起用が勝負強さの維持につながっているはずです。もちろん試合に出続けてくれることに越したことはないのですが、チーム全体でカバーし合いながら戦わないといけません。

 巨人3連戦では3連敗を喫してしまいましたが、4月22日からのDeNA戦3連戦は3連勝を果たしました。これから連戦が続いていくだけに、どういった戦いを見せてくれるか、楽しみに見守りたいと思います。