3年連続のBクラスから巻き返しを誓うカープ。打線、先発陣ともに活況だが、カープファンが心配しているのは、やはりリリーフ陣だろう。

 守護神・栗林良吏は決まっているが、7~8回の勝利の方程式が定まらず。思い返せば、2016~2018年の3連覇時には、助っ人のジャクソンが「8回の男」を担い、大車輪の活躍を見せた。

 横一線の状況から誰が「8回の男」に定着するのか。じっくりと予想してみたい。
※成績は5月22日終了時点

2年目の今季もリリーフとして期待がかかる森浦大輔(今年の春季キャンプで撮影)

◆森浦大輔

≪9試合/0勝0敗4H/7.2投球回/防御率1.17≫

 5月22日の中日戦、1対0の引き締まったゲームで「8回の男」を任されたのは、2年目の森浦大輔だった。

 昨季は54登板で3勝3敗17H、防御率3.17。技巧派ゆえに、のらりくらりのイメージもあるが、基本的にはチェンジアップが冴え、ファーストストライクには困らないタイプ。

 左腕にも関わらず、昨季は左打者に被打率.304と打ち込まれたが、逆に対右打者は被打率.158。技巧派左腕にありがちな「右打者への攻め」には困らない。

 さらに今季は対左打者.231、対右打者.077と精度を増しており、波に乗っている。勝利の方程式に定着するチャンスだ。

◆矢崎拓也

≪10試合/1勝0敗2H/12.1投球回/防御率1.46≫

 森浦と同じく中継ぎでのポジションを上げそうなのは、2016年のドラ1・矢崎拓也だ。

 プロ入り後の5年間は思うような結果を残せなかったが、今シーズンは開幕から安定した結果を残している。ストレートの球威は中継ぎ陣で一番といってもいい。さらにフォークのキレ味も良く三振が取れるタイプだ。

 ただ、コントロールには不安が残る面もあるため、勝負どころでの起用には制球力がカギとなりそうだ。

◆塹江敦哉

≪14試合/2勝1敗5H/9.2投球回/防御率1.86≫

 2020年から2年連続で50登板を果たし、経験を積んだ塹江敦哉も「8回の男」候補の一人。

 昨季からチェンジアップを使うようになり、緩急の厚みが出てきた。一方で、対右打者には課題があり、今季も被打率.455の数字が残っている。

 ただ、奪三振能力が高く、将来的には「8回の男」を任せたいと首脳陣も考えているはず。右打者への被打率を改善することができれば、一気にセットアッパーに駆け上がってもおかしくはない。

◆アンダーソン

≪3試合/2勝0敗/18.2投球回/防御率2.41≫

 奥の手として提案したいのは、アンダーソンのリリーフ起用だ。

 ここまで先発として快投を続けているが、高めストレートで易々と三振を奪っており、カーブ、チェンジアップと緩急も使える。アンダーソンとの入れ替えで、決して悪くはなかった玉村昇悟を二軍に落とすほど、先発陣は充実しているというチーム事情もある。

 アメリカ時代はあまりリリーフ経験はなかったが、思い切ってポスト・ジャクソンを狙ってみるのも面白いのではないだろうか。