プロ野球、Jリーグをはじめ、トップレベルのスポーツチームが多数活動する広島県。

 スポーツへの愛と情熱あふれるこの街で活躍する現役アスリート・OBを招いて、スポーツアクティベーションひろしま・神田代表が広島スポーツの未来を語り合う座談会を1年ぶりに開催。今回も広島スポーツについて熱く盛り上がった。

◆県内26チームが集結! 新コンテンツの配信もスタート

坂上 スポーツアクティベーションひろしま(以下、SAH)の神田康範代表が発起人である座談会が、1年ぶりに開催となります。改めてSAHとして今行っている取り組みについて教えてください。

神田  今回は『SAH』と、『TeamWISH』という、2つのキーワードが出てきます。SAHの正式名称は『スポーツアクティベーションひろしま』で、2年前に立ち上がった広島県庁スポーツ推進課内に設置したスポーツコミッションです。我々は「スポーツは地域の宝」と考えており、県内23市町それぞれが持つスポーツ資源を活かした地域活性化への取り組みの支援をしています。そんな中、全国を舞台に活躍しながらなかなか認知度が上がらず、もどかしい思いをしている広島のスポーツチームも多いことを知りました。そうしたチームやスポーツを、もっと広島のみなさんに知ってもらうために始めた新しい取り組みが、『TeamWISH』です。県内で活動する26のスポーツチームに参加いただき、2022年3月にスタートしました。『TeamWISH』のメインコンテンツとして、試合結果を予想して投票する『WISH Match』というゲームの配信もスタートしています。『WISH Match』はこれまで知らなかったスポーツの魅力を発見してもらえる全く新しいコンテンツですので、多くの方に知ってもらいたいと思っています。

【「スポーツアクティベーションひろしま」を詳しく知る】

【『TeamWISH』を詳しく知る】

【『WISH Match』を詳しく知る】

坂上 非常に興味深い取り組みですね。今回は、神田代表の想いを軸にお話しを進めていきたいと思います。石原さんは現在、テレビやラジオで解説者として活躍されていますが、「広島にこんなスポーツがあったんだ!」と驚かれることもあるのではないですか?

石原 そうですね、テレビに出演していると、番組中に広島のさまざまなスポーツを紹介するコーナーがあります。現役の頃は他のスポーツを見る機会も少なかったので、視野が広がった感じがありますね。

坂上 広島では、カープとサンフレッチェのニュースが飛び抜けて多いと思いますが、成本選手や金藤選手は、内心「もっと他のスポーツも取り上げてほしい」という思いがあるのではないでしょうか?

成本 そうですね。私は中国電力の卓球部に所属しているのですが、実は……私自身も、広島のスポーツというとカープとサンフレッチェしか知りませんでした。今回『TeamWISH』の取り組みで、異なる競技の選手とご一緒する機会が増え、そこで初めて「こんなにたくさんのチームがあるんだ!」と知ることができたので、良いきっかけになりました。

坂上 先ほど「スポーツは地域の宝」というお話もありましたが、スポーツがあることによって、実際に地域が発展したという事例はあるのでしょうか。

神田 僕はSAHの代表をしながら、熊本県で九州アジア独立プロ野球リーグに所属する「火の国サラマンダーズ」というチームを経営しているのですが、これまでもバスケットボールチームやサッカーチームの経営に携わった経験があります。どの競技のチームを経営していても、常に感じたのは、ファンのみなさんにとって『スポーツは日々の活力につながっている大切なもの』だという点でした。僕はよく「スポーツは公共財だ」とお話ししているのですが、まさに、地域のみんなの宝になりうるものだと考えています。

スポーツアクティベーションひろしま・神田康範代表

坂上 特定の地域で非常に人気があったり強くなったりするスポーツもあると思いますが、金藤選手はホッケーをプレーされていて、そうしたことを感じますか?

金藤 私は滋賀県出身なのですが、滋賀の中でもホッケーをやっている学校は非常に少ないですね。まだまだ競技人口の少ないスポーツなので、古くからあるチームが伝統的に強くなっているのではないかと思います。地元のみなさんには認知していただけていますし、応援していただけているのですが、少し離れた地域にいくと「アイスホッケーですか?」と言われてしまうのが悩みです(苦笑)。

坂上 なるほどですね。神田代表は、経営者の目線からこうした課題をどのように感じていますか?

神田 やはり、「知ってもらうきっかけがないために広まっていない」というスポーツが、たくさんあると思います。ホッケーにしても、これだけ強い選手が集まったチームが地元にあるのに、「アイスホッケー?」と勘違いをする人がいるわけですよね。それが非常にもったいないですよね。我々ももっとサポートして、「広島にはこんなスポーツチームがあるんだ」と知ってもらうための活動を広めていきたいと思っています。