4年目の今季、勝利の方程式の一角を担う活躍が期待された島内颯太郎。

 開幕戦で今季初登板を飾ると、そこから7試合連続無失点。その間に4ホールドをあげ、順調なスタートを切った。

昨季リリーフとして51試合に登板した島内。今季は序盤から苦しい登板が続いた。

 しかし、4月20日の巨人戦(東京ドーム)の登板で逆転を許し黒星がつくと、4月28日のヤクルト戦(マツダスタジアム)では打者3人に対して1安打、2四球とアウトを奪うことができず降板。リリーフとして役目を果たす登板もあれば、制球が安定せず四球をきっかけに失点を重ねる登板も多く、不安定な投球を改善するため二軍での調整を余儀なくされた。

 「降格時に指摘されたのはストレートの質を取り戻すこと、そしてチェンジアップとは別にカウントを取れる変化球をつくること。その課題克服に取り組んでいるのですが、昨季に比べて投球フォームがしっくりきていなくて……」

 150キロ超の伸びやかなストレートを支える投球フォーム。そのメカニズムに違和感を感じた島内は、昨季の映像を見ながら良い時と悪い時の違いを探した。

 「昨季はもう少しタメがつくれていました。また、投球の際の左肩の角度が、今季は少し上を向いてしまっていました。理想とする力強い球を投げるには、捕手に対して左肩を平行な角度で入れて投げる必要があると思っています。状態が良かった時は制球も安定していましたが、今季はコントロールで苦しむことが数多くありました。そこも改善しないと一軍の勝ちパターンでは投げることができないと思っています。ラプソード(投球分析システム)の数値も、昨季から落ちている項目があるので、二軍での実戦登板を通して修正していきたいです」

 ただ、昨季1年間投げ抜くと決めたチェンジアップに関しては、今季も手応えを感じている。緩い変化球は、島内の力強いストレートの威力を高める役割を果たす。

 「チェンジアップに関しては自分の武器になっていると思っています。例え、1球思った通りに投げることができなかったとしても不安になることはなくなりました」

 昨季は自己最多の51試合に登板し、シーズン終盤には同学年の栗林良吏へとつなぐセットアッパーを任されるなど、飛躍のシーズンを送った。

 その経験を活かし、さらなる成長を遂げるには今季は大事な一年となる。それだけに4年目右腕の早期復活が待たれる。

■しまうち・そうたろう    
■1996年10月14日生(25歳) ■180cm/80kg    
■右投右打/投手 ■福岡県出身    
■福岡・光陵高-九州共立大-広島(2018年ドラフト2位)