高校野球広島大会の決勝が27日に行われ、3度目の優勝を目指す盈進と、初優勝を目指す尾道が対戦した。試合は1点を争う展開となったが、終盤に盈進が反撃を見せて、9-4で勝利。盈進は1974年以来、48年ぶりとなる甲子園出場を決めた。

盈進が尾道に勝利し、48年ぶりの甲子園出場を決めた瞬間。

 初回、盈進は尾道の左腕エース坂本典優(3年)を攻め、1死二、三塁から内野安打などで2点を先制。さらに3回には秋田浩侑(3年)のタイムリーで1点を追加するなど、序盤から試合を優勢に進めた。一方、追う展開となった尾道は3回に2死一、三塁から4番・今井康輔(3年)のタイムリーで1点を返すと、6回には1死一、二塁の好機から2点を奪って同点とした。

 終盤7回、盈進は2死一塁から秋田のタイムリー二塁打で再び勝ち越すと、続く8回には尾道守備陣の乱れなどもあり5点を追加し、尾道を突き放した。尾道は6点を追う8回に2死二塁から井上将大(2年)のタイムリー二塁打で1点を返したが、盈進の二番手・寺田大和(3年)に抑え込まれた。

 優勝を果たした盈進の佐藤康彦監督は「大会中も普段通りやってくれて、大会中も成長してくれて、盈進球場でやってくれていたことを発揮してくれた。本当にありがとうという言葉だけです。引き続き甲子園でもその野球をやっていきます」と喜びを語った。

 一方、惜しくも初優勝を逃した尾道の北須賀俊彰監督は「選手たちは粘り強くよく頑張ってくれたと思います。初戦からずっときつかったので。チームの一番の課題だった我慢が、今大会通じてよくできたのではないかなと思います」と大会を振り返り、選手を労った。

 今回の広島大会は、昨夏優勝の広島新庄、春センバツ出場の強豪・広陵が、早々に敗れるなど波乱が続き、優勝候補の広島商業も準決勝で涙を飲んだ。結果的にはノーシードから勝ち上がった盈進が粘り強い戦いを展開し、優勝を飾った。「第104回全国高校野球選手権大会」は、8月6日に甲子園球場で開幕する。