高校球児たちが白球を追いかけ、汗と涙を流す聖地・甲子園球場。現在連日、熱戦が繰り広げられている。ここでは、かつて甲子園でプレーしたカープ選手たちに“高校時代の記憶”を振り返ってもらった。

 今回は、愛知県代表・中京大中京高の一員として2009年夏の甲子園に出場した堂林翔太の思い出に迫る。

高校時代はエースで4番として活躍した堂林翔太

◆悔しさと共に達成した悲願の全国制覇

 今なお語り継がれる2009年夏の甲子園での中京大中京高対日本文理高の決勝戦。堂林はエースで4番として決勝進出に貢献した。

 この試合、9回2死まで中京大中京高が6点リード。勝敗が決したように思われたが、あと1人のところから日本文理高の猛追がスタート。優勝投手を目指し力投を続けた堂林だが途中降板。最後は1点差まで詰め寄られ、外野で全国制覇の瞬間を迎えることになった。

 「一番は、一球の怖さというものを学びましたね。野球は試合終了まで何が起こるか分かりません。それを改めて感じた試合でした」

 最後まで投げきれなかった悔しさから試合後に涙を流した堂林。その涙は、高校野球の一発勝負の怖さと醍醐味を教えてくれた。