2022年8月16日、カープ一軍で佐々岡真司監督を含む8名の新型コロナ感染が報告された。そして急遽、二軍から7選手が一軍昇格。今回の緊急昇格で一軍入りを果たした選手の1人にプロ3年目、韮澤雄也の名があった。

 8月17日の中日戦では8番・二塁でプロ初スタメンを果たした。両チーム無得点で突入した延長11回には、1死一塁の場面で送りバントを決めてチャンスメークし、その後、代打で打席に立った松山竜平がサヨナラ二塁打を放つ、苦境に立つチームの連勝に貢献した。

 韮澤は、花咲徳栄高から2019年ドラフト4位でカープに入団した期待の内野手。ここでは、プロ1年目、初の春季キャンプを終えた韮澤の独占インタビュー(2020年3月取材)を改めて振り返る。

二軍では矢野雅哉と二遊間を組み、息のあった連携を見せていた韮澤雄也(写真は2022年二軍戦(由宇)で打席に立つ韮澤)

◆初のキャンプで体感した、球界トップクラスの守備

─ここまで、プロ1年目のシーズンを過ごされてみていかがでしょうか?  

 「最初は分からないことばかりで、疲れたり緊張することが多かったのですが、だんだんと慣れてきました。キャンプの時期は高校時代とは全く違うすごくレベルの高いプレーを見ることができていたので、充実していたと思います」

─キャンプ期間中はどのようなテーマで練習をしていましたか?

 「まずはケガをせず乗り切ることでした。そういう意味では良いキャンプが過ごせたと思っています。また沖縄のキャンプでは菊池さん(涼介)や、長野さん(久義)がいらっしゃったので、学べることは全部吸収してやろうと思って見ていました」

─菊池選手は同じ内野手ですが、球界トップクラスの守備をご覧になっていかがでしたか?

 「本当にすべてのプレーがうまくて、球際も強いですし、体幹の強さにも驚きました。プロに入ってすぐにトップクラスのプレーを間近で見ることができたのはとても大きかったと思います」

─今回はルーキーインタビューということで、韮澤選手の球歴などについても伺います。まず、野球を始めたきっかけを教えてください。

 「小学1年生の頃に、新潟で地元のチームに入団して、そこから本格的に始めました。最初の頃やっていたポジションは、ショートや投手が多かったです。当時は体が小さかったですが、中学校の頃に一気に成長しました」

─当時憧れていた選手は誰ですか?

 「巨人の阿部慎之助さん(現・巨人一軍作戦兼ディフェンスチーフコーチ)です」

─少年時代はどんな性格だったのでしょうか?  

「人見知りですね。ちなみに今も変わらず、人見知りです(笑)」

─中学校に進学されてからは、ショート一本になったということですが、韮澤選手が考えるショートの醍醐味とはどんな部分でしょうか?

「よく言われているように、内野の華と呼べるポジションだと思っていますし、打球もよく飛んできます。そういう意味ですごくやりがいを感じます」

─どんなプレーを注目してほしいですか?

「自分のウリは守備の確実性や堅実性だと思います。ほかの選手のように派手なプレーはまだ見せられないかもしれませんが、そういったところは注目して見てほしいですね」

=後編へ続く=

《プロフィール》
韮澤雄也●にらさわ ゆうや
2001年5月20日生、新潟県出身
178㎝・80kg/右投左打/内野手/プロ3年目
花咲徳栄高-広島(2019年ドラフト4位)