広島市内を中心に、総合スポーツ用品店の老舗として知られる体育社。同社はこれまでの連載で紹介したように、特に野球用品に力を入れている。
そんな体育社が新たなるプロジェクトの一環で、東広島店を野球に特化した店舗として、9月17日(土)にリニューアルオープンさせる。広島に4店舗構える老舗スポーツ用品店が、野球をプレーする人たちをさらに盛り上げるべく、新たなるチャレンジに挑む。
体育社の“野球に力を入れたい”という思いが凝縮されるこの店舗は、どのようなものになっていくのだろうか。品数が多いというだけであれば量販店との戦いになり、苦戦を強いられることが予測されるが、その道のプロである体育社であれば想定済みだろう。
今回は、野球に特化してリニューアルする東広島店への思いや構想や展開など、その全貌に迫っていく。
◆コロナ禍こそ変革すべきとき
ー東広島店を野球に特化してリニューアルするとのことですが、本プロジェクトを進めることになった理由を教えてください。
柴田「もともと東広島店は全競技を取り扱う店舗でしたが、体育社全体としては野球が強い会社になってきています。そして世の中の変化がスポーツ業界にも起きたことで、量販店が広島に進出してきたりスポーツの競技人口が減ってきたりしていたので、総合スポーツ店という業態を3年間様子見て決断する事にしました」
ー3年間様子を見てみていかがでしたか?
柴田「体育社の全競技の業績的にも、広島の中学校や高校の競技人口的にも、野球だけは減少率が低いというデータや業績の伸びもありました。でも、商品を購入できる場所はどんどん少なくなってきています。
コロナ禍で店頭在庫をセーブするお店も多いですが、むしろそんな時こそ変革を起こすべきですし、このアクションが未来につながっていくんじゃないかと思いました。また、社内のスタッフが野球に携わる人間が多くなってきたので、この子たちがもっと伸び伸び活躍できる場所を作らなければ…という思いも後押ししたと思います」