◆どこに行ってもチームを盛り上げる、『俺たちのチバちゃん』

 この年の第5節で僕がJ1通算100得点を達成したとき、全員で『100』の人文字を作るパフォーマンスをしたときは、試合前のロッカールームで(森脇)良太や(髙萩)洋次郎と一緒に、チバちゃんが“設計図”を書いていました。それもホワイトボードの、相手チームの布陣図の下の余白に(笑)。僕が決めたことが分かるように、ボールを蹴るポーズで『100』の横に立つことを提案してくれたのはチバちゃんでした。 勝利後の『サンフレ劇場』も、チバちゃんが加わって一段と盛り上がるようになりましたよね。

 いまも新潟で勝利後にスタジアムを盛り上げていて、SNSなどで見たときに「俺たちのチバちゃんなのに」と思っているサンフレッチェのファン・サポーターの方は多いでしょう。パフォーマンスのアイデアも、試合に勝つためにどうするのかも〝考える〟という点では同じ。それくらいチバちゃんは多くのことに頭を働かせていました

  勝利後といえば、選手が手をつないでB6ゲートに向かって走り、最後に大きくジャンプするウイニングランは、僕とチバちゃんが始めたんです。2人ともサンフレッチェを離れましたが、いまも残っていてうれしいですし、チバちゃんも喜んでくれていると思います。

 =後編へ続く=

《プロフィール》
千葉和彦●ちば・かずひこ
1985年6月21日生、北海道出身
ポジション・DF
サンフレッチェ広島/2012年~2018年
高校卒業後にオランダ2部リーグのクラブでプレーしたのち、2005年に帰国してアルビレックス新潟に加入。2012年にサンフレッチェに加入し、攻守の要として同年からの3回のJ1リーグ優勝に貢献した。2019年に名古屋グランパスに移籍。2021年から古巣の新潟でプレーしている。