9月5日時点で59勝65敗3分。3位まで2ゲーム差の4位につけるカープ。CS進出に向けて、残りは16試合。OBの笘篠賢治氏に、8月30日からの阪神、DeNAとの6連戦を見て感じたことを語ってもらった。

9月1日からは4試合連続で4番打者として起用されている西川龍馬

◆残り16試合。求めたいのはトーナメント方式の戦い方

 3位・阪神に3連敗して厳しい流れになってきたなかでDeNAに3連勝。Aクラス入りに向けて、なんとかギリギリのところで踏ん張っています。

 8月30日の阪神戦では、0-0の同点で迎えた8回裏に2死ランナーなしからターリーが大山悠輔に一発を浴びて、それがそのまま決勝点になり敗戦しました。3ボールからど真ん中のストレートですからね、そのあたりの慎重さが欠けていたように思えました。

 8月31日(阪神戦)も5回表に4点を奪い逆転した良い流れのなかで、その裏に登板したコルニエルが1失点して同点に追いつかれました。コルニエルも良い投手ですが、リードした展開で登板するには厳しかったように思います。150キロ後半の球速があっても、コントロールに不安があるためストライクが入らないと厳しくなります。選手起用により流れが変わったように感じただけにもったいなかった気がしました。

 守備で気になった点を一つ。8月30日の試合。6回裏に無死一塁の場面で、近本光司が盗塁したシーン。遊撃手の小園海斗がベースの前で捕球して、いわゆる追いタッチみたいになっていました。追いタッチになると、スライディングがセンター寄りのベースにいった場合、ロスが生じてしまいます。常にベースをまたいで、入れるように準備をしておかないといけません。

 ショートバウンドになった場合はハンドリングでカバーする見せ場ですが、基本的には捕手からの送球を捕ってグローブを下に落とすだけという形にしておかないと、微妙なタイミングがセーフになってしまいます。細かいようですが、ここは口酸っぱく言わないといけません。

 打線に関してはマクブルームを6番にして、クリーンナップは秋山翔吾、西川龍馬、坂倉将吾と左3人を並べました。この3人は左投手を苦にしないですからね。マクブルームの調子が落ちている中で良い判断だったと思います。

 そして、ここからは、どうしても1点がほしい、最低限の進塁打がほしいという場面が出てくるはずです、たとえば無死一、二塁で秋山や西川が打席に入ることもあるでしょうが、ここは遠慮せずに、監督はバントのサインを出していいと思います。

 秋山も西武時代には、バントの場面ではきっちりと仕事をこなしてくれていました。秋山のように実績のある選手がバントを決めると、チームの士気も上がりますからね。ここからはリーグ戦というよりも、トーナメント方式の戦い方をしていかないといけません。

 阪神がこの先、勝率5割でいったとすると69勝。その場合、カープは10勝6敗以上の成績が必要になります。落とせないゲームが続きます。やるべきことをきっちりとやって勝ち上がってもらいたいです。