カープOBであり、現在はクリケット日本代表選手として活躍する木村昇吾氏の連載コラム。今回は、カープのエース・大瀬良大地について語ってもらった。

エースとして、選手会長としてチームを牽引する大瀬良大地

◆エースという言葉が大瀬良を強くし、成長させる

皆さんこんにちは!昇吾です!

クライマックスシリーズ進出に向けて
負けられない戦いが続く中、9月23日の阪神戦でエースの大瀬良大地投手が先発!

今年もエースとして毎週の様に登板し、
2軍で再調整などもありましたが、
この最終盤戦を託せる投手!

しかし、CS進出への望みを繋ぐ大事な一戦は
2回4失点で降板…
序盤の失点が響き、3位争いをする阪神タイガースに無念の敗戦。

試合終了後、ベンチで戦況を見つめていた大瀬良投手はベンチの最前列で座り続け、スコアボードを眺めていました。

彼がカープに入団した年から一緒に戦って来ましたが、とにかく真面目!
性格も良過ぎるくらい良い!

自分に厳しく常に完璧を求めるその姿は頼もしい反面、
強い責任感ゆえに自らを追い込んでしまうような危うさも内包してるなと…

好投虚しく味方の援護が無く負け投手になっても、
打ち込まれて負け投手になっても、
一切言い訳せず、もちろん人のせいにもしない大地。

そんな彼だからこそ仲間や後輩に慕われ、
最多勝など結果も残し、カープのエースとしてここまで歩んで来たのだと思います!

エースとして…
この言葉が彼を強くし時に苦しめ、その苦しみを乗り越えてまた更に成長しての繰り返しなのかなと…

相手チームには徹底的に研究され、対策を練らねて
色んな戦略で攻略しようとしてくるのを毎試合毎試合迎え撃つ…

相手チームは凄く良い投手を想定してるだけに、少しでも調子が悪いと相手打者は攻略しやすくなってしまうもので、
想定値が高い大瀬良投手はその高い想定値を超えないといけない…

打たれても勝てればまだ良いですが、
負ければ『なぜ打たれた?なぜ見逃された?』が彼を支配し、
次の登板まではその『なぜ?』と向き合いながらの日々。

怖くて逃げ出したくなる時もあるでしょうが、
そんな姿を見せず明るく前向きな姿勢を貫き、
またマウンドへ…

あのマウンドに上がった者だけが味わう孤独感の中、またミットめがけて腕を振る。

今回の敗戦でまた自分と向き合い、『なぜ?』を追求し更に成長した姿を見せてくれるはずです。

彼なら大丈夫!
だって、責任を感じてスコアボードを眺め続ける大地の背中を、
ポンと叩く會澤翼のような男が彼を支え、孤独にはさせませんから。

ほな、また。

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◆ライター 
木村昇吾(きむら しょうご)
1980年4月16日、大阪府生まれ。尽誠学園高で3年夏に甲子園出場。愛知学院大に進学し、遊撃手でベストナインを5度獲得するなど活躍。2002年ドラフト11位で横浜に入団。2007年オフに広島にトレードで加入すると、一軍に欠かせないユーティリティープレイヤーとして活躍した。2015年オフに西武にテスト生で入団。2017年にクリケットに転身すると、2018年にはクリケット男子日本代表強化選手団に選出された。クリケット界の世界最高峰であるインディアン・プレミアリーグ(IPL)での活躍を目指し、現在も競技を続けている。

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