海外での武者修行に挑むなど、数々の経験を重ね、セレクションに合格し、レジーナの一員となった立花 葉。 昨季は17試合に出場し、1年目から存在感を示した。 今季、“注目の若手”として名前の上がるFWの声を届ける。

◆女子サッカーに魅力を感じてくれている方々のヒーローに

10月22日に2シーズン目が開幕するWEリーグ。上位進出を目指すレジーナにも注目が集まる。

─WEリーグ2年目が始まりました。9月からWEリーグカップの試合が始まり、リーグ戦は10月22日からスタートします。ここまでの調整はいかがですか?

「2年目に向けて、チームが始動して約2カ月になりますが、試合が近づくにつれて、みんなコンディションが上がってきているなと感じています。ただ、私自身はちょっとケガで出遅れてしまったので、必死にコンディションを戻している最中です」

─チーム内のコミュニケーションはいかがでしょう?1年間一緒にプレーする中で関係性も深まったのではないですか?

「そうですね。1年目は新チームということもあり、初めて会う選手ばかりだったので、私も含めて探り探りの状態でした。ただ、1年間一緒になって初めてのことを乗り越えていくうちに、ある程度、チームの進むべき方向性は見えてきたのかなと感じています。もちろん、まだまだチームの結束力を高めていかないといけないと思いますが、昨年培ったものをベースにして、今季はもっとチームとしての引き出しを増やしていければと思っています」

─1年目のシーズンを戦い、どんなことが課題だと感じておられますか?

「反省点として一番感じているのは、仕掛ける回数が少なかったということです。個の力で裏のスペースに突破したり、周りの選手とうまく連携しながら裏に抜けていくのが自分の武器だと思っていますが、昨季は、その持ち味を十分に発揮できなかったと思っています。もっと仕掛けても良かったなと。それだけに、今季は数多く勝負していきたいと思っています」

─昨季は17試合に出場して1得点。今季は得点数アップも期待されています。

「そうですね。その点についても今季に向けて監督と話し合いました。ポジションはウイングですが、もっとゴール前に飛び込んでいくシーンを増やしていかないといけないと思いますし、アシストにおいても、クロスの質を上げていくことが課題だと捉えているので、そこを改善していけるように日々の練習に励んでいます」

─ウイングのプレーヤーとして目標にしている選手はいますか?

「理想の選手はいませんが、よくプレーを見ているのはサンフレッチェ広島の藤井智也選手です。スピードを含めたプレーの質はもちろん、何度も縦に仕掛けていく果敢な姿は、見ていて学ぶことが多いです」

─昨年、立花選手はセレクションを受けてレジーナに加入しました。新天地として広島を選んだ理由を教えてください。

「私はレジーナに選んでいただいた立場の選手なので、プレーする機会を与えていただいたことに感謝しています。セレクションを受けようと思ったきっかけは、サンフレッチェが歴史あるチームだという点です。また、セレクションが始まる前に、監督や数人の所属選手は発表されていたので、その方たちのコメントなどを見て“きっとすごくいいチームになるんだろうな”という風に感じ、迷うことなくレジーナのセレクションを受けました」

─選手のみなさんは、SNSも積極的に活用されています。立花選手はSNSの発信でどんなことを心がけていますか?

「それが……何を投稿したら喜んでもらえるかといつも迷っています(笑)。どんなことを投稿したらいいか……ぜひアドバイスをもらえるとうれしいです。今季は週1回投稿を目指してがんばります」

─カップ戦が始まる前には、選手が参加して広島市内でビラ配りをされました。

「そういった活動を通して、街の方々とふれ合える機会を与えてもらえたことがすごく新鮮でした。『ありがとうございます』、『応援しています!』と言ってくださる方も多かったので、選手としてすごくパワーをもらいました」

─海外でプレーされるなど、いろんな経験を積み重ねてこられました。女子サッカーとはどう向き合ってこられましたか?

「今までは女子サッカーと言われることが課題なのかなと感じることもありましたが、“女子サッカーだからこそ”と魅力を感じてくれる人もいます。なので、そう思ってくれている方々のヒーローのような存在になれたらと思いプレーしています」

─2年目のシーズンを戦っていくうえでの目標を教えてください。

「レジーナらしく、ひたむきにエネルギッシュに熱い試合を届けるのが私たち選手の使命だと思っています。個人としては昨季以上の得点とアシストを記録することと、より多く試合に出場することが目標です。昨季の数字は最低限。それ以上の結果を積み上げないといけないと思っています。そしてチームの目標であるトップ3に、少しでも多く貢献できるようにしたいです」