2022年シーズン、66勝74敗3分の5位でシーズンを終えたカープ。惜しくも4年ぶりのAクラス入りは逃す結果に終わったが、選手個々の奮闘は胸を熱くさせた。

今季、4番としてカープ打線を牽引したマクブルーム。

 今季の主要成績のチームトップは以下の通り。

【野手】
打 率:坂倉将吾 .288
安 打:坂倉将吾 155本
本塁打:マクブルーム 17本
打 点:マクブルーム 74本
盗 塁:野間峻祥 7盗塁
出塁率:マクブルーム .3523
(打撃系成績は規定打席以上)

【投手】
防御率:森下暢仁 3.17
勝 利:森下暢仁 10勝
勝 率:森下暢仁 .556
奪三振:森下暢仁 133奪三振
セーブ:栗林良吏 31セーブ
H P:森浦大輔 27HP
(先発系成績は規定投球回以上)

 しかし、これ以外にもさまざまなデータが残るのが、野球の面白いところ。ここでは、主要ではない成績の今季チームトップを紹介していく。

≪野手編≫

◎二塁打
マクブルーム 25本
菊池涼介 25本

 二塁打ではマクブルームと菊池涼介が25本でトップを分け合った。今季は6本塁打に終わった菊池だが、やはり中距離ヒッターとしても貢献しているのが見てとれる。長打を兼ね備えた柔軟性の高い2番打者といえる。ちなみに25二塁打はリーグ11位タイ。

◎三塁打
小園海斗 6本

 今年は俊足・小園海斗が6三塁打と躍動。セ・リーグでは3位タイの成績だが、周りの選手はほとんどが二桁盗塁も達成している。今季の小園は2盗塁に終わっただけに、来季は盗塁数増加にも期待したい。

◎犠打
菊池涼介 32犠打

 2021年は2犠打で打つことに徹した菊池だが、今季は犠打のサインが多く自身8度目のリーグ最多犠打。名手の腕に衰えはない。

◎犠飛
小園海斗 5犠飛

 犠飛は小園が他球団のスラッガーに匹敵するリーグ5位タイ。しっかりと仕事のできる選手に成長した証だ。本塁打を含めた長打量産も夢ではないはずだ。

◎四球
マクブルーム 52四球

 来日1年目ながら、しっかりと見分けてチームに貢献したマクブルームが1位。

◎死球
坂倉将吾 10死球

 今季は坂倉が体をはって10度の出塁をもぎ取った(リーグ2位タイ)。規定打席未満だが、上本崇司が8個、秋山翔吾と會澤翼が6個とやや多め。痛みを伴う数字だけにケガには気をつけてもらいたいところだ。

◎OPS
マクブルーム .794

 出塁率+長打率=OPS。主砲・マクブルームがチームトップに輝いたが、セ・リーグ全体では10位。ちなみに規定打席には届かなかったが、西川龍馬のOPS.822も見逃せない好数値だ。

≪投手編≫

◎完投
大瀬良大地 3完投
森下暢仁 3完投

 完投数は大瀬良大地と森下暢仁が3完投ずつでトップを分け合った。ともに2完封を記録。特に森下は8月に2試合連続完封を成し遂げ、リリーフ陣の負担を軽減した。

◎クオリティ・スタート(QS)
森下暢仁 17QS

 先発で6回以上を投げ、自責点3以下で記録されるQSは森下がトップ。27先発でリーグ4位の17QSは上々の成績といえる。

◎奪三振率(先発)
九里亜蓮 7.76

 規定投球回到達が森下しかいないため、100投球回以上に広げると、奪三振率は九里の7.76がトップ(9回あたりの奪三振数)。ストレート、カットボール、カーブ、チェンジアップと三振を奪える球種をそろえ、打者を翻弄した。

◎WHIP(先発)
床田寛樹 1.01

 同じく100投球回以上に限定。1イニングあたりの平均許走者数を示すWHIPは床田が1.01で断トツのトップだった。ケガさえなければ、主要スタッツもチームトップを総ナメにしていただろう。

◎奪三振率(リリーフ)
栗林良吏 10.99

 40試合以上に登板したリリーフ投手の奪三振率は守護神・栗林がトップ。10.99はセ・リーグ他球団の守護神と比較しても断トツの数値だ。また森浦大輔、矢崎拓也、松本竜也、ケムナ誠も、投球回数前後の奪三振率を記録しており、リリーフ陣のポテンシャルは決して低くない。

◎WHIP(リリーフ)
栗林良吏 0.77

 こちらも栗林がトップ。セ・リーグの守護神では山﨑康晃(DeNA)の0.70、R.マルティネス(中日)の0.75に次ぐ3位だが、栗林の0.77も驚異的な数字といえる。さらに被本塁打ゼロでシーズンを終えたのは、12球団の守護神で栗林だけだ。