◆「ずっとこういう風な選手のままで終わってしまうんじゃないか」
─キャンプでは、連日特打に特守が続いています。昨日(キャンプ6日目)ようやく特守と特打がメニューから外れましたが。体は当然キツいですか?
「キツイというか、体はしんどいことはしんどいですけど。僕ももう、3年目じゃないですか。言い方が難しいですが、秋のキャンプって、春とは違ってオフが先にあるものですよね。だから気持ちの面でも、春のキャンプとはどうしても違う部分があると思うんです。でも、今年の秋季キャンプは、自分でも全然、そういう気持ちがないというか、気が張っている状態なんです。そのことが自分で実感できる。そんなキャンプなんです」
─シーズンが納得いくものじゃなかったという、裏返しということですか?
「なにか、このままじゃダメだというものがあるというか。自分の中で意識を変えて取り組まないと、このままずっとこういう風な選手のままで終わってしまうんじゃないかという……逆に、こんなままじゃ終わりたくないという気持ちです」
─今年のシーズンは、もっとやれたはずだという悔しさが自分の中にあるということですか?
「やれたはずだ、というものじゃなくて、もっとやらないといけなかった、ということです。チャンスを与えてもらって、レギュラーでもないのにポジションを空けてもらって、開幕スタメンで使ってもらって、そこからエラーしながらもずっと使ってもらって。なのに結局は自分で放棄してしまったようなものですから。自分で勝手にケガして」
─あのアキレス腱痛は、やっぱり大きなものでしたね。あれは、起きてみると、すでに痛かったのですか?
「そうなんです。これはほんとに、起きてみると痛みがあって……。何かしたから、というわけではなかったんです。今考えてみると、自分の中に、何かあったんだと思います。命をかける、というと少し大げさかもしれませんが、精神的な甘さというか、自分の中に徹底しきれていない何か……油断が絶対にあったんです。だからこそ、ほんとに悔しいんです」
─今年の開幕前、『心技体の、技術と体がないんだから、せめて心の部分では精一杯やりたい』といった話をしてくれました。その目標は果たせましたか?
「本当の意味でそういう風に、自分自身の中で本当に真剣に取り組めたかどうか…。もちろん毎日真剣にやっていますし、試合に出て適当にやる人なんかいないんですけど、その中でもなお、まだ一層の真剣味が足りなかったんじゃないかな…という気持ちがあります。だから、やっぱり、甘かったということです。考えも甘いし…やっぱり考え方が一番甘かったと思います」
─特に課題とされてる守りの方はずっと練習を積み重ねてきて、自信のような気持ちの度合いも、前よりは変わってきたのではないでしょうか?
「少しずつですけどね。ほんとに。下手にはなってない、という自信はありますけど……。でも、本当に少しずつですけど、うまくなってるのかな、という気持ちもあるんですけど……」
─コーチからはどんな指導を?
「特にこれ、というものじゃないですからねぇ……。いっぱい言われているから、ほんとに。全部ダメだから。何をどうしなさい、という話じゃなくて、全部なんです。なにもかもです」
─やっぱりサードですよね。
「サード、やりたいですねぇ……」
─それには、大先輩を超えなくてはなりませんね。
「やるしかないですからね」