カープは新井貴浩監督新体制での開幕を迎え、約1月が経った。広島アスリートマガジンでは、これまで、現役時代〜引退後にかけて新井監督の声をファンへ届ける独占インタビューを掲載してきた。 ここでは、2019年1月号『永久保存版 新井貴浩』より、プロ3年目の新井監督が語ったインタビューを再編集して掲載する。

 プロ3年目の2001年、サードのポジションを与えられた新井。 開幕後からミスが続いても、首脳陣は決して外そうとはしなかった。 レギュラー目前となったオフ、悔しさと新たな危機感を募らせていた新井貴浩が語った3年目の思いとは。

◆集中力……その模索が続いた

ケガの影響もあった2001シーズン。振り返って、「反省ばかり」と新井は語った。

─今季、残った結果については、どのように受けとめていますか?

「試合数は124ですが、得点圏打率ですね……。それが悪すぎます。技術不足、あと精神力不足を露呈した1年でした。反省ばかりです。ほんと、反省しかないです」

─開幕後1カ月で26試合にサードで先発出場。7本の本塁打を放っていました。

 「あのまま出てたら、ホームランが何本の計算だった、とか。ただ自分では全然、そんな感覚はなかったですね。逆に、ここで打たないと……という場面で打ってないですからね」

─チャンスに打てない、その思いばかりが頭の中に残っていたのですか?

「そうですね。自分でそればかりいろいろ考えていたというか……」

─今年はチャンスに打てることをテーマに掲げて、それに向けて何か指針にしていたようなこともあったのですか?

「自分に必要なのは、いろんなことがあるんですけど、やっぱり技術、そして経験なんですね。技術不足、精神力不足、経験不足……すべてダメでしたから」

─チャンスでの打撃となると、やっぱり集中力ということになりますか?

「そうですね……でも、集中力、ないですね。ないっす、集中力。はっきり言って」

─それは打席での気持ちのコントロールということでしょうか?

「その、集中の仕方というか、方法もまだ分かんないです。だからいろいろ試しているんですけどね、自分なりに。らくーに、らくーに、とリラックスして打席に入ったり、逆に気持ちを全面に出して入ったり。もうほんとに最後の最後ですけど、あのあたりは自分の気持ちをグーッと前に出して打席に入るようにして、良い結果も少しは出るようになったんです。最後の10試合……くらいですけど」