プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1・サンフレッチェ広島をはじめ、多数のスポーツチームが存在する広島県。広島アスリートマガジンの連載《HIROSHIMA SPORTS NAVI》では、スポーツ王国と呼ばれる広島で活躍するスポーツチームから、選手自らがナビゲーターとなりチームや競技の魅力をたっぷり紹介する。

 今回は、 中国電力のシンボルスポーツチーム『中国電力女子卓球部』から、成本綾海主将が登場。「100メートル走をしながらチェスをするようなもの」と表現されるほど、体力・知力を使う卓球の魅力とは……。気になるオフの過ごし方から、間もなく開幕する大会への意気込みまでを、成本選手が語ります!

2022年からは、国内の卓球リーグ・Tリーグへの参戦も決まっている成本選手

◆トップスピードは新幹線並み!? 緻密な“頭脳戦”も魅力の卓球

 卓球を始めたのは、兄と姉の影響です。初めは2人の真似をするように始めて、だんだん小学生の全国大会の予選にも出るようになりました。全国大会にはレベルの高い選手がたくさんいましたが、負けず嫌いな性格なので「もっと勝ちたい!」と思ううちに、どんどん夢中になっていきました。

 卓球は、『100メートル走をしながらチェスをするようなスポーツ』と言われることがあります。ボールの初速は280km/hとも言われていますし、レシーブでも120km/h近い球を打ち返すことになります。その中でも常に相手の二手、三手先を読みながらラリーを続けるので、そういった“深さ”も卓球の魅力の一つだと思います。時々自分でも「なんでこんな速い球が打ち返せるんだろう」と思うときがありますね(笑)。やはり“慣れ”もあると思いますし、目のトレーニングも欠かさず続けています。

 卓球にはさまざまな戦型(プレースタイル)がありますが、私の戦型は『相手に慣れられてしまうと、勝ち続けるのが難しいスタイル』だと言われています。ちょうど最近、「対応されるようになってきたな」と感じ始めたので、応援してくださっているみなさんから「終わったな」とは思われないように、「あの戦型でも勝ちにいけるんだ!」と期待してもらえるような結果を出していきたいと思います。

◆オフはアクション映画でリフレッシュ!

 オフは温泉に行ったり、バスケの試合観戦に行ったり、好きな場所でリフレッシュしています。あと、1人で映画館に行くこともあります。最近見てかっこよかったのは、『トップガン マーヴェリック』です! 音楽を聞くだけでもテンションがあがりますし、家に帰った後、すぐに配信で前作の『トップガン』も見てしまいました(笑)。

 アクション映画が好きなので、『ワイルド・スピード』もお気に入りです。ラブストーリー系だと、ヴァンパイアと人間が恋をする『トワイライト』シリーズがイチオシですね!

 現在チームは、後期日本リーグ三重大会(11月16日〜開催)に向けて合宿も始まっています。今年は有観客で開催されますし、Labo Live (ラボライブ)のネット生配信で、全国どこからでも観戦してもらえます。前期日本リーグでは3位に終わってしまったので、チーム全員、後期日本リーグにかける思いは強いです。後期日本リーグはここまで4年連続で優勝しているのですが、今年は選手の顔ぶれも大きく変わり、新しいメンバーで優勝を目指すことになります。練習場には必勝祈願の“ダルマ”が置いてあって、優勝するとキャプテンが目を入れるのが恒例になっているんです。私もここに目を入れられるように頑張りますので、会場で、そして配信で、応援よろしくお願いします!

成本 綾海◎なるもと あやみ
1995年、岡山県出身
同志社大を経て、2017年に中国電力女子卓球部に所属。『前陣速攻』を得意とするカウンタータイプのプレースタイルで、日本卓球リーグ1部最高殊勲選手賞を2回受賞。
2022年からは同部の主将を務めている。

【 中国電力女子卓球部 】 
1991年、中国電力株式会社のシンボルスポーツとして創部。2018年から2021年にかけては後期日本リーグ4連覇を達成。日本卓球リーグプレーオフJTTLファイナル4で優勝を飾るなど、常に実業団のトップを走り続ける。2022年はここまで、前期日本リーグ和歌山大会3位、全日本実業団選手権大会初優勝。11月16日から開幕する後期日本リーグ三重大会に参戦予定。