◆A代表で感じた緊張感

吉田練習場でインタビューに答える、当時20歳の浅野拓磨

—2015年にはA代表にも選出(東アジアカップ2015でA代表初選出)されました。雰囲気はいかがでしたか?

「年代別の代表とは雰囲気が違いました。プレーの質というより、一緒にやってみないと感じることができない雰囲気、厳しさを感じました。試合にも出させてもらいましたが、アピールできたことは何もありませんでした。ですがピッチに立ったということが自信になりましたし、このままじゃダメなんだという刺激を受けたことが収穫でした。自分は世界で通用するようなプレーヤーになりたいです。そのためにたくさんやらなければならないことがあるということを今回痛感しました。それを無駄にせず、今後プラスにしていけるように頑張っていきたいです」

ーA代表で通用した部分、そして課題はどのようなものがありますか?

「通用した部分はありませんでした。もちろん自分が自信を持っている特長はありますが、その力をあの場で出し切れないということが自分の力なのだと思います。日本を代表して戦う緊張感、責任感など、いろいろなものがのしかかってきたときに出た力こそが本当の実力なのだと思います。そういう意味で今自分が持っているものをしっかり100%出し切ったとは言い難いところもあったので、そこが課題です。もっと普段から自信をもってプレーすることができていれば、代表の場であってもどんどんチャレンジして自分の特長を出せていけたのかなと思います」

《プロフィール》
浅野拓磨●あさの・たくま

1994年11月10日生 三重県出身
171cm/70kg
四日市中央工高から2013年に広島に入団。同期には野津田岳人ら。2015年のJリーグアウォーズでベストヤングプレーヤーを受賞。以降も佐藤寿人とともにストライカーとして活躍した。2016年、プレミアリーグ・アーセナルFCに完全移籍。2015年、日本代表初選出。カタール大会は自身初のW杯となる。

《クラブキャリア》
広島(2013〜2016)ーアーセナルFC(2016〜2019)ーシュトゥットガルト(2016〜2018)ーハノーファー96(2018〜2019)ーパルチザン・ベオグラード(2019〜2021)ーVfLボーフム(2021〜)