11月21日から開催される、W杯カタール大会。史上初の『ベスト8以上』を目指す森保ジャパンの代表選手26名が発表された。国内組から招集された選手は、酒井宏樹(浦和)、谷口彰悟(川崎)、相馬勇紀(名古屋)ら。海外からは南野拓実(モナコ)、冨安健洋(アーセナル)、久保建英(ソシエダ)らが名を連ねた。

 サンフレッチェ広島からアーセナルFCを経て、現在はドイツ・ボーフムに所属する浅野拓磨も、本大会へ招集された選手の1人だ。

 2013年に広島でプロキャリアをスタートさせ、海外の地で挑戦を続ける浅野。ここでは、プロ3年目を迎えた浅野の単独インタビューを再編集してお届けする。

入団当時の背番号は『29』。サンフレッチェでのラストイヤーとなった2016年には『10』に変更された

◆100%自分を出し切る

—昨季(2014年)と比べて、今季一番成長を感じる部分はどこですか?

「一番大きな成長は、試合中に余裕を持てるようになったことです。昨季はゴールも奪えずに焦りもありましたが、今季は自信をもってプレーできるようになってきています」

—今季は途中から試合に出場することが多いですが、試合にはどのような思いを持って臨んでいますか?

「現状の自分を100%出そうと思いながら試合に入っています。自分には技術的に不十分な部分がまだたくさんあります。でも、そういうところを無理して出さないようにするのではなく、今の自分をありのまま出し切ろうと思っています。それができたという実感がある試合は結果が残せていますね」

—今季(2015年)は佐藤寿人選手(当時)と交代することが多いのですが、交代時には何と声をかけられているのですか?

「 『ゴールをとってこい』であったり、同点、負けているときなどは『ヒーローになってこい』というような声をかけてくれます。偉大な先輩が交代の際にそういう言葉をかけてくれるのは自分にとって精神的な部分ですごく助かりますし、自分がやるんだという強い気持ちにもなります」

 

—8月29日第9節の名古屋戦では、PKの際に水本裕貴(現・SC相模原)選手から声をかけられていましたが、なんと声をかけられたのですか?

「ボールを持っているときに自分の目の前にひょこっと現れて、『笑え!』と言われました(笑)。僕が怖い顔をしていたのかもしれませんね。その一言だけ言って守備位置に戻っていました」

—その一言についてどのように感じましたか?

「すごくリラックスできました。今思えばあのときは気持ちも固くなって、体もガチガチになっていたので、あの一言が自分を助けてくれたのだと思います。そういう先輩がチームメートにいるということも本当に自分は恵まれているなと思いますし、自分も水本さんのような先輩になりたいなと思いました」