新井貴浩監督就任後、初となった2022年ドラフト会議。カープは育成契約を含む全10選手を指名した。支配下指名7名のうち4名が投手、そのうち3名は社会人と、課題と言われた投手陣の整備とともに野手の育成にも注力する方針が垣間見える指名となった。

 新たな戦力として期待される選手たち。ここでは、大阪ガスで1年目から活躍した右腕・河野 佳の強みと特徴を、アマチュア野球に詳しい安倍昌彦氏が語る。

広陵高出身、社会人MVP投手

大阪ガス・河野 佳

【大阪ガス・投手】
河野 佳(かわの・けい)
2001年8月23日生(21歳)/右投右打/175cm・81kg

 2021年の日本選手権で優勝投手となり、MVPにも輝く素晴らしい活躍を見せた社会人投手です。昨年はコンスタントに良い投球を続けていた印象でしたが、今年は「2021年以上の投球をしよう」と思うあまり、力んだり気負ったりしてしまった印象でした。また、夏場には扁桃腺の手術も受けていたということで、体調不良もあって、都市対抗では彼本来の力を発揮することができていなかったように思います。

 ただ、2021年の調子に戻れば十分に先発で活躍できる実力のある投手ですし、地元・広陵高出身で応援しているファンも多いだけに、これからを期待したい投手の1人でもあります。

 河野投手は持っている球種も多いですし、どの球種でもストライクの取れる投手ですから、先発投手としても十分に勝負ができるのではないかと思います。変化球の他に、ストレートでも150キロ近い球速の球を投げることができていますし、両サイドの低めを攻めるコントロールの良さもあります。フィールディングもうまく、完成度の高い、欠点のない投手だといえるでしょう。

 プロで活躍できる投手の共通項の一つとして、“欠点がないこと”があげられます。そういった意味でも、非常に楽しみな投手だといえます。5位という指名順位をバネにして、即戦力として活躍してくれることを期待したいです。

広島アスリートマガジン12月号は、『恩師と選手が語る新指揮官の魅力』を特集。 新井貴浩監督の話をしよう。月刊誌でしか見ることのできないビジュアルも満載です!