◆『前から奪いに行くんだ』というメッセージを感じた鹿島戦の完勝

1年目にして9ゴールをあげた満田誠。広島の攻撃の要としてシーズンを通して躍動した。

ー今シーズン、特に印象に残った試合はありますか?

森﨑「僕は、ホームの横浜FM戦(4月6日、◯2ー0)や鹿島戦(5月7日、◯3ー0)です。強いチームが相手であっても、勇敢に、前からプレッシャーをかけて完勝した試合ですね。あの試合を見ていて、『今年はいけるんじゃないかな』と感じました。鹿島戦では、ワンボランチのシステムにもトライしていて」

吉田「ぶっつけ本番だったやつだね」

森﨑「練習でもやったことのない2トップだったそうですが、それが『前から奪いに行くんだ』というメッセージにもなっているじゃないですか。さらにそれで完勝したというのも、印象に残っています」

吉田「強豪相手に、自分たちがやろうとしているサッカーで勝ったのは印象的だよね。僕が1試合をあげるなら、清水戦(9月3日、◯2ー0)。塩谷司がレッドカードで退場になってしまったけど、数的不利でも勝ち切れる強さを感じた試合だった」

森﨑「吉田さんが今シーズン注目していた選手を1人あげるとしたら、誰ですか? 僕は開幕前からずっと野津田岳人に注目していたんです。岳人自身も、今年活躍できなければ最後のチャンスだという気持ちがあったでしょうし、これまでなかなか広島で花が咲かなかったこともあって、いろいろな思いを抱えて戻ってきたんだと思います。背番号『7』を受け継いでくれたこともありますけど、岳人の活躍は見ていて頼もしかったですし、本当にうれしかったですね」

吉田「開幕当初はメンバー外だったけど、『日々の試合で活躍することで定位置を勝ち取った』という、象徴的な選手だったと思う。僕が今シーズンの最初に気になっていたのは、塩谷だね。彼は『優勝請負人』じゃない? だから、シオ(塩谷)がアル・アインFCから広島に帰ってきた時に、どんな活躍をしてくれるんだろうとすごく楽しみだったし、ポジションはどこなんだろうというのも気になった。結果的に、どのポジションでも対応していたのはさすがシオだなと思ったし、要所要所をしっかり締めてくれていたとも思う。実際、『優勝請負人』にもなったしね」

ー多くの若手が飛躍したシーズンでもありましたが、お2人が良い意味で、『活躍に驚いた選手』をあげるとすれば?

森﨑「これはもう、満田誠じゃないですか」

吉田「うん、間違いない」

森﨑「彼の活躍は素晴らしかったですね。得点やアシストが多かったことはもちろん、献身的な守備が一番印象的でした。本当にオールラウンダーというか、今のサッカーの象徴のような選手だと思います」

吉田「印象に残った選手として岳人やシオの名前をあげたけど、満田も外せない選手だね。スキッベ監督のサッカーを象徴している選手の1人だと言って良いと思う。彼がいなければ、前からあれだけプレスをかけるサッカーはできなかっただろうし、満田はシュート技術も素晴らしいよね。いろいろなシュートを持っているというところも、彼のストロングの一つだと思う」

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