そして“走塁”を語る上で重要となるのは、“反応”です。キャンプでは投手が投げてからの反応練習が重点的となるのではないでしょうか。走り出すということは、当然帰塁する練習も必要になります。帰塁のスピードが速い選手は良いのですが、そうでない選手たちに対しては、リードの幅を狭くしてでも“盗塁を仕掛ける”というメンタル、勇気を持たせることが重要です。投手の配球を読みながらカウントを頭の中で整理し、投手が釣り球を投げにくいカウントになれば、勇気をもってスタートを切ること。今季は監督の方針の中で、グリーンライト(自らの判断で盗塁を試みる)がどれだけ増えるかも注目です。さらにここで重要となるのは、一塁ランナーコーチの存在です。事前準備の段階で、配球が多くなってくるということもイメージし、1球、1球背中を押してあげられるかどうかも注目ポイントです。

 そして、もう1つ注目されるのが坂倉将吾の捕手専任での起用です。これまで會澤翼が正捕手としてカープの扇の要を担ってきましたが、彼自身も後輩からこれだけ刺激を受けるキャンプは初めてなのではないでしょうか。そして、坂倉もまた、監督直々に捕手専任を希望してのスタートになりますので、プレッシャーもかかってくることと思います。そこを跳ね除け、捕手へのこだわりをみせながら、互いに切磋琢磨してほしいですね。

 カープが優勝を狙うためには、選手自身がどれだけ上を狙う意識の中で練習をしているかがポイントとなるでしょう。通常Bクラスが続くと、スタメンオーダーを総替えすることも考えられるのですが、カープの場合は決してそうではなく、あと一歩の問題だと感じています。チームプレーを意識し、春季キャンプでさらに結束力をつけ、笑顔でキャンプを終えててほしいと思います。

広島アスリートマガジン2月号は、本誌初登場!秋山翔吾 2023年の覚悟』。さまざまな角度から秋山選手の“覚悟”に迫りました。2015年以来の登場となる、前田健太選手インタビューにもご注目ください!