新井新体制での春季キャンプが2月1日からいよいよスタートとなる。ここでは、キャンプでの見どころについて、カープOB笘篠氏が見解を語る。

機動力野球復活の鍵を握る、野間峻祥。

◆機動力野球の復活。“新井野球”の象徴とは?

 今回は、目前に迫った春季キャンプを中心にお話していきたいと思います。

 まずは、カープの選手として、初の春季キャンプを過ごす秋山翔吾についてです。彼が西武に入団した当初から“良い選手が入ってきた”という思いで注目していました。西武、メジャーと経験と実績を積み、昨季途中にカープ入団となりました。体調不良などもありましたが、1年を通して彼が試合に出場することが、Aクラスに入る上で必須条件だと思います。秋山は向上心豊かな選手であり、長年の実績の中で落ち着きはあるものの、プレー自体は全く老けていません。今季の活躍を大いに期待したいところです。

 さて、明日からはいよいよ春季キャンプです。新井貴浩新監督体制で挑む初めてのキャンプの見どころは、やはり“機動力野球の復活”でしょう。中でも、新井野球の象徴となるのは野間峻祥だと私は考えます。昨年はチームとして26個の盗塁という結果に終わりました。もちろん盗塁数だけではありませんが、“機動力”というのは、どれだけ相手にプレッシャーを与えられるかに意味があります。その象徴となるのが野間であり、『走攻守』三拍子そろった過去最高の成績で、タイトルを獲るくらいの高い目標を持ってキャンプに挑んでほしいものです。そのためには、しっかりとした下準備、情報収集、失敗を恐れぬ勇気も必要でしょう。野間がチーム全体を引っ張り、活気づけることで、“新井野球”の変化がみられるのではないでしょうか。そして1番バッターの役割は、チームが勝つ上で大変重要な存在になります。特にカープは1、2番の機動力を伝統としてきたチームですので、野間がしっかり上位打線で活躍できる調整ができるのか? キャンプでの動きに注目したいです。