◆メジャー7年目を迎えた“マエケン”の中に起きた変化とは

─2023年シーズンからカープは、前田投手も共にプレーし、対戦もした新井貴浩さんが監督となります。どのように捉えていますか?

「いろんな方の名前が上がっていたかと思いますし、新井さんもいつかはカープの監督をやるんじゃないかと言われていた方ではあると思いますが、びっくりしましたね。僕は2年間しか新井さんとカープでプレーしていなくて、そのうちの1年は、僕もプロ1年目の2007年だったので、実質新井さんと一緒にプレーしたのは2015年の1年間だけなんですよね。僕の中では新井さんが阪神時代に対戦した機会の方が年数的には多かったですね。ただプロ1年目にオープン戦などで投げた時は、よく声をかけてもらったり、頼もしい存在と言いますか、兄貴分みたいな雰囲気を選手みんな感じているんじゃないですかね。新井さんは本当にみんなに慕われる方で、努力家というイメージなので、チーム全体が1つになるチームをつくり上げる監督じゃないのかなと思います」

─2022年シーズンでメジャー7年目を終えられました。現段階で前田投手の野球観、野球に対する考え方などは年々変化しているのでしょうか?

「どちらが良いというわけではなく、文化が違うということが大きいと思います。日本には日本の良い文化があって、日本人の考えがあっての生活だと思うのですが、アメリカだとアメリカ人やドミニカ人など、いろんな人種の方がチームにいて、みんなそれぞれの文化やそれぞれの考え方をもっています。そういう意味でいろんな国の選手の考え方を知ったり、いろんな監督やGMの考えの中で野球をやると、日本にはないスタイルと言いますか、キャンプから、シーズン中の過ごし方まで、全く違うので、そういう意味では両方の良いところを知れているというのは、すごく良い経験ができていると思いますね」

─トミージョン手術を受けられて、2022年はリハビリに取り組む日々が続きました。気持ち的にはいかがでしょうか?

「楽しめていますよ。全然苦しくはなくて、トミージョンに対する考え方も、日本とアメリカで全く違うと思うんです。日本ではどうしてもネガティブな方向に捉えやすいのですが、アメリカでは、トミージョンをしている選手はたくさんいて、トミージョンをすることによって、自分のキャリアを延ばすこともできますし、また強くなって帰ってこれる可能性もあるんです。僕自身、この“トミージョン手術”というものを、もうちょっとポジティブなものといいますか、日本の選手や、学生に、そんなに悪いもんじゃないんだよということを伝えていきたいなと思っています」

広島アスリートマガジン2月号は、本誌初登場!秋山翔吾 2023年の覚悟』。さまざまな角度から秋山選手の“覚悟”に迫りました。2015年以来の登場となる、前田健太選手インタビューにもご注目ください!