カープ時代は投手3冠、沢村賞に2度輝くなど、カープのエースとして活躍した前田健太。2016年からはメジャーリーグに活躍の舞台を移し、世界で挑戦する日々を送っている。

 日本球界、カープを離れて早7年。カープから世界に羽ばたいた“マエケン”は今、プロのキャリアをスタートさせたカープ、広島に対してどんな思いを抱いているのか?ここでは、2015年以来の本誌登場となる、かつてのエースの思いに迫った。

 第1回はこちら。

2008年、プロ2年目を迎えていた前田は、歴代エースが背負った『18』を継承する。

◆200勝への思い、年齢への意識・・・カープ入団を決めた秋山との会話

─2023年4月には35歳になります。年齢を意識されることはありますか?

「あまりないですね。正直自分の中ではまだ若いと思っているので、体は元気なんです。疲れやすくなったとか、動かなくなったということは全くなくて、そういう意味では年齢を感じないのですが、『35歳』って聞くと、『あ〜年を取ったな』って感じますね(笑)。あとは、今のカープだと、年下の選手ばかりで、上の選手は松山(竜平)さんだけかな? となると、チームではベテランなわけじゃないですか。そうなるとすごく違和感がありますね。ツインズでも、今僕が1番上か2番目くらいなんですよ。だからすごく感じますね。気持ちはまだまだフレッシュですよ」

─現在日米通算156勝です。通算200勝まで残り50勝を切っていますが、意識はありますか?

「200勝は今一番大きな目標ですね。一応入団会見で200勝を目指しますと言ったはずなんですよ。その時は正直現実味はなかったし、先発ピッチャーとして、殿堂入りできるのは、200勝しかなかったので、そういう意味では200勝を目指そうと思っていました。ただ正直意識できるようになってきたのは、この150勝を超えてきてからだと思うので、ここまできたからには、200勝を目指したいですし、時代的になかなか200勝できない時代になってきているじゃないですか。そういう意味では価値のある数字なのかなと思います。こうやってトミージョンを決断したのも、『200勝したい、もっと自分のキャリアを伸ばしたい』という思いがあったからで、ここからもう一度勝ち星を積み重ねていきたいなと思っています」

─2022年には前田投手と同学年の秋山翔吾選手がカープに入団されました。入団されるタイミングで秋山選手から相談があったりしたのでしょうか?

「特に相談はないんですけど、入団前に『どうするん?』くらいの話はしていました。迷っている段階での話はしましたけど、あとは決まった後に連絡を取り合いました。まさかカープに行くとは思っていませんでした。決まった時は正直びっくりしましたね。カープに秋山がいて、広島に住んでいると思うと、すごく不思議な感じがします」

─現在メジャーリーグでは、カープ時代の後輩である鈴木誠也選手がカブスでプレーをしています。どのような思いで見ていましたか?

「1年目ってすごく難しいと思いますし、投手と野手では違うと思うのですが、生活にも慣れないといけないですし、初めての投手と対戦しないといけないので、いろいろ見て学ばないといけないことや、覚えないといけないことがたくさんあると思います。この1年はまだ慣れる1年だったと思うのですが、その中でもチームの中心としてやっていたと思うので、2023年は1年目の経験を活かしてもっともっと活躍していくんじゃないのかなと思います」

─メジャーでの対戦はまだありませんが、楽しみはありますか?

「2022年シーズンは僕が投げられなかったので、2023年は対戦があったらいいですね。面白いと思いますし、楽しみですし、打たれないようにしないとなと思います。打たれたらいっぱい書かれると思うので(笑)、打たれないように頑張ります」

広島アスリートマガジン2月号は、本誌初登場!秋山翔吾 2023年の覚悟』。さまざまな角度から秋山選手の“覚悟”に迫りました。2015年以来の登場となる、前田健太選手インタビューにもご注目ください!